ブラジル企業の海外投資先は、タックスヘイブンに集中(2021年7月28日付けヴァロール紙)

ブラジル企業や個人の投資金の主な10か所の投資先の中で、投資総額の66%は、タックスヘイブン若しくは優遇税制を導入している国に集中しているとブラジル国庫庁の調査で判明している。

ブラジル中央銀行の統計によると、2019年のブラジルの海外での投資残高は3,850億ドルであったが、2020年には、4,115億ドルと250億ドル以上増加を記録している。

ブラジル企業がオランダに実質的な経済活動を行わない持株会社を保有する場合は、税制優遇措置を享受できるために、ヨーロッパ域内では主な投資先となっている。
2019年のブラジルの対外直接投資のヨーロッパ域内の投資比率は、全体の20.7%であったが、2020年には、その比率は21.2%に相当する874億ドルを記録している。

ブラジルの海外直接投資の内訳として、昨年のオランダ向け投資は、カイマン諸島を抜いてトップに上昇、カイマン諸島への投資比率は、2019年の22.3%から昨年は16.9%に相当する697億ドルに減少している。

またブラジルの海外直接投資のうち英国領バージン諸島向け投資比率は、14.7%に相当する605億ドル、バハマ諸島向け投資比率は、13.0%に相当する535億ドルとなっている。

前期同様、米国向け対外直接投資は、州政府の有限責任会社(Limited Liability Company: LLC)による優遇税制の対象で、2019年の5.7%から9.5%に相当する392億400万ドルで5位に上昇している。

米国に次いで6位は、ルクセンブルクの5.7%に相当する392億ドルを記録している。2011年以降、ヨーロッパの小国では優遇税制の対象国を拡大して外資系企業の取込みを積極的に行っている。,

トップ7位から10位には、優遇税制のオーストリア、タックスヘイブンのパナマ、優遇税制のスペイン、英国は10位で2019年からのランクは変わっていない。現在タックスヘイブンは61地域、優遇税制を適用しているのは12か国となっている。

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