小売大手のCarrefour社, GPA社並びにMagalu社はコロナ禍で更なる寡占化 (2021年7月28日付けヴァロール紙)

ブラジル小売・消費市場経営管理者協会(Ibevar) 並びに経営管理協会(FIA)の共同調査によると、コロナ禍の2020年の小売業界大手120社の総売上は、前年の5,260億レアルから前年比20%増加の6,320億レアルと二桁台の伸び率を記録している。
しかし最大手小売網10社の総売上は、前年比30%増加した一方で、120社の最下位10社の総売上は、マイナス22.0%と明暗が明確になってきており、最大手10社の寡占化が鮮明になってきている。

昨年の小売大手120社の一般家庭に占める消費は、13.6%と2019年の39.0%から大幅に減少しているが、コロナ禍の影響で、売上の少ない小売網は、更に売上減少に見舞われる傾向になっているとIbevar協会のCláudio Felisoni de Ângelo会長は指摘している。

昨年の10大小売販売網のCarrefour社, GPA社, Magalu社, Via社, Americanas社, Big社, Raia Drogasil社, Natura社, Boticário社並びにMateus Supermercado社の総売り上げは3,170億レアルに達し、トップ12社の約半分の売上を占めている。

小売業界でも最も大手企業による寡占化が進んでいるのはスーパーマーケット業界であり、トップ5社の市場占有率は、2019年の54.5%から昨年は58.3%とさらに寡占化に拍車が掛かっている。

また前期同様に建材部門トップ5社の市場占有率は83.9%から86.5%、家電・家具販売部門は86%から88.4%、薬局・化粧品部門は、77.7%から79.2%とそれぞれ更なる寡占化に拍車が掛かっている。

ブラジル国内の小売業界の寡占化の進展はブラジル特有のものではなく、世界的に小売販売の寡占化が進んでおり、コロナ禍による外出自粛や必需品以外の販売自粛要請などで、オンライン販売やコンペチターから有能な人材のヘッドハンターを強化してきている小売販売網が売り上げを伸ばしている。

またコロナ禍による一般消費者のEコマース販売移行の傾向に沿った、デジタルトランスフォーメーションに着手してスタートアップ企業の買収を果敢に行っている大手小売販売がマーケットシェアを伸ばす傾向となっている。

Carrefour社の昨年の売上は、2019年に続いて748億レアルで業界トップを維持、Pão de Açúcar社の売上は557億レアルで2位を維持、Magazine Luiza社は361億レアルで3位に浮上している。

昨年のCasas Bahia社を擁するVia社の売上は、344億レアルで4位、Lojas Americanas社は254億レアルで5位、2019年は4位であったGrupo Big社は252億レアルで6位に後退、薬局チェーン最大手のRaia Drogasil社は211億レアルで7位、化粧品最大手のNatura社は153億レアルで8位、化粧品Botcário社は150億レアルで9位、10位には144億レアルでMateus Supermercado社がトップ10入りしている。

ファッション・スポーツ部門の小売販売では、Lojas Renner社が売上103億レアルでトップ、Havan社100億レアル、Riachuelo社77億レアル、Pernambucanas社は49億レアル、5位には41億レアルでC&A社がトップ5に食い込んでいる。

家電・家具部門の小売販売では、Magazine Luiza社が361億レアルで業界トップ、Via社344億レアル、Móveis Gazin社59億レアル、Lojas Cem社57億レアル、40億レアルの売り上げを記録したFast Shop社が5位となっている。

建材部門の小売販売ランキングでは、ST. Gobain社が81億レアルで業界トップ、Leroy Merlin社71億レアル、Grupo Hervalは27億レアル、Lojas Quero-Quero社は20億レアル、C&C社の売上は18億レアルで業界5位となっている。

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=27272