パウロ・ゲーデス経済相率いる経済班は、ブラジルの国内経済回復に伴って臨時歳入増加が牽引して、2022年の財政プライマリー収支の予想赤字1,700億レアルから1,000億レアルに削減する検討を開始している。
経済班は、最近国会で承認されていた来年度予算の1,705億レアルの赤字は、国内経済の回復に伴う歳入増加以外にも、COVID-19対応のワクチン接種拡大による連邦政府の臨時歳出の削減に繋がっており、600億レアルから700億レアルの赤字予算削減の可能性が濃厚となっている。
国内経済の回復や国際コモディティ価格の上昇並びにレアル通貨に対するドル高の為替が追い風となってブラジルの輸出拡大、今年の臨時歳入は、2,000億レアルに達すると経済班は見込んでいる。また来年の臨時歳入も今年並みの2,000億レアルを見込んでい
ミッシェル・テメル政権の2016年に財政プライマリー収支を1,705億レアルの赤字に固定、翌年から徐々に赤字幅の削減を見込んでいたが、赤字拡大していた経緯があった。
2017年並びに2018年の財政プライマリー収支は、固定されていた1,705億レアルの赤字を更に拡大する変更を余儀なくされた。2020年の財政プライマリー収支は、COVID-19パンデミック対応の緊急給付金の支給でさらに悪化していた。また2022年の財政プライマリー収支は、当初予想の1,275億レアルの赤字予算は更なる赤字予算に変更されていた。
連邦政府は既に所得税改正案を国会に提出、2022年の所得税による歳入は24億7,000万レアル増加が見込まれていたが、個人向け利益・配当金などに関する所得税改正案は難航している。