国内最大の鉄道プロジェクトFerrogrão(フェログラン)は熾烈な争いが予想されている(2021年8月9日付けエスタード紙)

Ferrogrão(フェログラン)と命名されているマット・グロッソ州シノップ市とパラー州イタイツーバ市を結ぶ933キロメートルの鉄道建設構想は、最優先プロジェクトにも拘らず、既に5年間以上も経過しているが、未だに着手されていない。

国内最大の鉄道建設プロジェクトのFerrogrão(フェログラン)は、ブラジル最大の穀倉地帯のマット・グロッソ州からパラー州経由の北回廊の輸出ルートとなり、輸送コストや輸送時間の大幅な短縮に繋がる非常に重要なプロジェクトとなっている。
北部回廊経由のFerrogrão鉄道が完成すれば、1トン当たりの穀物の輸送費は半分以下に減少、また輸送日数も4日間の短縮が可能となり、穀物生産者にとっては、大きなコスト削減で価格競争力が飛躍的に増加する。

しかし穀倉地帯のマット・グロッソ州からパラー州と横断するFerrogrão鉄道ルートは、ブラジル国内の鉄道貨物輸送を大きく塗り替えるプロジェクトであるが、アマゾン地域の熱帯雨林の伐採禁止、先住民族の社会的保護や保護地区への不侵入などの保証が不可欠となっている。

Cosanグループ傘下のRumo社は、ブラジル国内の中西部地域並びに南東部地域で鉄道網を張り巡らせており、北部地域からの穀物輸出網を獲得するためには、入札ではコンペチターを大幅に下回る価格提示の可能性が予想されている。

Ferrogrão鉄道の入札には、Cosanグループ傘下のRumo社以外にも資源大手ヴァーレ社傘下のVLI社、Hidrovias do Brasil社傘下の投資ファンドPátria社の参加が見込まれている。

2019年3月にRumo社は、南北鉄道のトカンチンス州Porto Nacionalとサンパウロ州Estrela D’Oesteを結ぶ南部地区を最低価格の2倍以上となる27億1,900万レアルで落札した。

トカンチンス州Porto Nacionalとマラニョン州Açailândia間の鉄道を運営しているVLI社が落札すると予想されていた。VLI社は最低価格13億5,000万レアルに対して20億6,500万レアルを提示したが、Rumo社が27億1,900万レアルで落札していた。

昨年末にRumo社は、サントス港湾を含むサンパウロ州内を網羅するパウリスタ鉄道網の30年契約延長を締結、今後60億レアル以上の鉄道網への投資を約束、サンパウロ州とマット・グロッソ州Rondonópolisを結ぶ北部鉄道網も落札している。

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