旱魃と寒冷前線停滞による低温で今年の穀物生産前年比1.2%減少に下方修正

国家配給公社(Conab)では、世界的な天候異変はブラジル国内でも大きな影響を及ぼしており、旱魃と長期の寒冷前線停滞で今年の穀物生産は、前年比1.2%減少と下方修正を余儀なくされている一方で、ブラジル地理統計院(IBGE)では、今年の穀物生産は4ヶ月連続での下方修正にも関わらず、前年比0.8%増加を見込んでいる。

国家配給公社(Conab)では、2021年度の穀物生産は、前年比1.2%減少の2億5,398万トンに下方修正しているが、ブラジル地理統計院(IBGE)では、依然として前年比0.8%増加予想にも拘らず、今後も継続して更なる下方修正を行うと予想されている。

国家配給公社(Conab)では、今年の穀物栽培面積は前年比4.0%増加しているにも関わらず、寒冷前線の長期停滞による霜害並びに旱魃による乾燥で、特に中西部地域から南部地域にかけて大きな影響を被っている。

特に今年のトウモロコシの生産は、前年比15.5%減少の8,665万トンに留まると予想、夏収穫の第一期作のトウモロコシは、前年同期比11.0%減少の2,490万トン、第二期作は、19.6%減少の6,032万トンに留まると国家配給公社(Conab)では予想している。

多くの州では僅かな降雨しかなく、その上寒冷前線の停滞で低温度が持続、パラナ州並びに南マット・グロッソ州では、霜が降りて影響を受けているとブラジル地理統計院(IBGE)農畜産部門アナリストのCarlos Antônio Barradas氏は説明している。

今年第1四半期の農畜産部門のGDP伸び率は、大豆生産が牽引して前四半期比5.7%増加を記録、今年初めの今年の農畜産部門のGDP伸び率は、前年比2.0%~3.0%増加が見込まれていたが、旱魃並びに低温、霜害などの影響で前年並みの予想に修正されている。

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