税制改革及び大統領選を前にM&A駆け込み需要が旺盛 (2021年8月17日付けヴァロール紙)

年内の可能性を残している税制改革の実施並びに2022年の大統領選挙を控えて、ブラジル国内の多岐に亘る産業部門の企業の買収・合併案件の駆け込み需要が加速してきている。

昨日16日、南米、メキシコ並びに米国で石油化学部門の事業を展開しているUltraグループ傘下Oxiteno社は、アジア資本Indorama Ventures社に68億レアル相当の13億ドルへの売却が発表されている。

また病院経営グループのRede D’Or は、画像診断センターを経営するAlliar社に21.8%のプレミアム上乗せした1株11.50レアルによる全株式の13億5,000万レアルでの公開買収提案を行っている。

精米など食品部門のCamil社は、ミナス州で製粉派生品販売を牽引するSanta Amália社の買収を発表している。 また今月初めに新規株式公開(IPO)で2億レアルの資金調達に成功していた医薬品や医療関連資材の卸売販売会社のViveo社は、Profarma Specialty e Cirúrgica Mafra社を9億レアルでの買収を発表している。

ゲームアプリケーションやデジタルサービス業を手掛けるBemobi社は、チリ資本Tiaxa社を2億レアル相当の3,800万ドルで買収。Tiaxa社は自社の投資ファンドTerras FII社を通して、カナダ資本Brookfield社が所有する農業用不動産の購入を発表していた。

COVID-19対応ワクチン接種率の増加及びブラジル国内の経済活動活性化に伴って、外資系企業のみならずブラジル企業による企業の吸収・買収案件が増加傾向を示している上に、不透明感が増加してきている来年の大統領選挙や税制改革を前にした企業の買収・合併案件が増加傾向にあるとBank of America (BofA)企業買収担当のAragDiogoão氏は指摘している。

今年1月~8月16日迄の買収・吸収案件は、昨年同期の304件から355件に増加、また買収・吸収金額は、前年同期比250%増加の3,564億レアルに相当する617億ドルを記録している。

また今年末までには、Actisファンド傘下の風力発電事業を手掛けるEchoenergia社の50億レアルでの売却、元Odebrecht社で現在の社名Novonor社は、石油化学工業大手のBraskem社の株式の売却、もう一つは、ペトロブラス石油公社のDeten社への資本参加が見込まれている。

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=27484