連邦政府の無責任な財政支出政策並びにデモクラシーを揺さぶる言論でIPO詣で終焉か(2021年8月19日付けエスタード紙)

米軍撤収に伴うアフガニスタンで進攻を続ける反政府組織タリバンの脅威やブラジル国内の政治混乱でブラジルのリスクに反比例するように、新規株式(IP0)を予定していた非上場企業はIPO先送りの検討を余儀なくされている。

ブラジル国内の政治混乱リスク上昇に伴って、ドル高の為替への回帰、サンパウロ平均株価Ibovespaの低迷などの要因で、新規株式公開を予定していた企業は影響を受け始めている。

ブラジリア銀行(BRB)が主幹事会社として、今年9月に農畜産部門の非上場企業Vittia社の新規株式公開を準備していたが、IPOの先送りを余儀なくされている。

有価証券取引委員会(CVM)には、サンパウロ証券取引所(B3)での新規株式公開(IP0)の申請件数は、20件以上に達しているが、政治・金融ボラティリティが収まるシナリオになるのを待機、また追加公募増資(フォローオン)による資金調達を予定している企業も待機を余儀なくされている。

新規株式公開候補として、食品メーカーDori Alimentos社、フィットネスクラブ網を展開するBluefit社、MMartan社並びにレストラン網Madero社を傘下に持つAmmo Varejo社、昨日靴下メーカーのLupo社も有価証券取引委員会(CVM)に新規株式公開(IP0)を申請している。

今年8月中旬までに新規株式公開(IP0)で調達した資金総額は、Covid-19パンデミックの影響や金利上昇サイクルにも拘らず、1200億レアルに達しており、既に昨年1年間の資金調達金額を上回っている。

ガン疾患専門のOncoclínica社は1週間前にサンパウロ証券取引所(B3)で新規株式公開を行ったが、既に株価は18.0下落、昨年末にIPOしていたオンラインニッチ市場を狙ったEnjoei社の株価は40%下落している。

検索サイトBuscapé社を傘下に持つMosaico社の株価は株式上場以来既に44.0%下落しており、IPO企業の株価下落は今後のIPO予定企業の公募価格に悪影響を及ぼすとEleven Financial社チーフアナリストのRaphael Figueiredo氏は指摘している。

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