輸出が過去最高水準に達した影響で、2021年8月のブラジルの貿易収支黒字は76億6,000万ドルに達して、統計を取り始めて以来では8月の月間記録を更新している。
また今年初め8か月間の貿易収支は、520億3,000万ドルの黒字を計上して記録を更新している。また昨年初め8か月間の累計貿易収支黒字の504億ドルを20億ドル近く上回っている。
今年8月の貿易収支黒字は、76億6,000万ドルを記録した一方で、ブラジルの主力輸出産品の鉄鉱石、原油や食料品の国際コモディティ商品の先行き減少及び輸入増加に伴って、今後の貿易収支黒字幅は、減少するとTendências Consultoria社では予想している。
経済省通商局(Secex)の発表によると、今年8月の1日当たりの輸出総額は国際コモディティ商品価格が牽引して、前年同月比49.2%増加の272億1,000万ドルを記録している。
今年8月の1日当たりの農畜産部門の輸出は、前年同月比19.38%増加、鉱業部門は113.3%増加、製造業部門の輸出は32.9%増加を記録している。
一方今年8月の輸入総額は、前年同月比61.1%増加の195億5,000万ドルを記録、農畜産部門の輸入は26.7%増加、鉱業部門262.4%増加、製造業部門の輸入は57.1%増加を記録している。
今年初め8か月間の累計輸出総額は、前年同期比37.3%増加の1,889億ドル、累計輸入総額は、34.4%増加の1,368億ドルを記録している。
過去数週間の鉄鉱石の国際コモディティ価格は、中国の需要減少に伴って大幅に減少、また大豆の国際コモディティ価格は、北米地域の収穫期突入で短期的には価格減少するとTendências社エコノミストのYasmin Riveli氏は指摘している。
今後数か月間の輸入は、国内経済の回復に伴って増加が予想されている。今年の輸出総額は2,742億ドル、輸入総額は2,034億ドル、貿易収支は、708億ドルの黒字をYasmin Riveli氏は予想している。
一方経済省通商局(Secex)では、今年の輸出総額は3,075億ドル、輸入総額は2,022億ドル、貿易収支は1,053億ドルの黒字を予想している。