大企業は金利上昇並びに政治情勢緊張に備えて前倒しで資金調達に拍車(2021年9月10日付エスタード紙)

2022年10月の大統領選挙に向けた政治情勢のボラティリティ上昇並びに政策誘導金利Selicの継続する上昇にも拘らず、ブラジル企業は、前倒しでの手持ち資金調達のために、国内外で社債発行を果敢に行っている。

またジャイール・ボルソナロ大統領の経済政策や構造改革よりも来年の選挙を見据えた過激な言動、上昇を続けるインフレ、過去最高の可能性が見込まれる来年のSelic金利にも拘らず、大企業は、コロナ禍前後の負債の支払期間の延長や現金の強化で企業の体質強化を急いでいる。

社債市場では、Comgás社, 3R Petroleum社, Vibra社並びにHypera社は、それぞれ10億レアルの資金調達を行って社債発行ブームをきたしている。

今年3月のSelicは過去最低の2.00%であったが、8月には5.25%に上昇、年末は8.00%まで急増する予想され、企業の社債発行による調達コストは上昇するにも拘らず、各社は金融ボラティリティに備えて、運転資金の調達確保で社債発行を余儀なくされている。

またブラジル企業は、海外での社債発行による資金調達を開始、毎年9月は北半球の投資家は夏季休暇終了に伴って、勤務を再開するために、ブラジル企業経営者にとっては、海外での資金調達では1年間で2番目に良い月であり、Movida社は3億ドル、Movida社は5億ドルの資金調達を行っている。

今年8月のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、予想を上回る0.87%を記録、8月としては統計を取り始めた2000年以降では、最高のインフレ指数を記録している。

今年初め8か月間の累計IPCA指数は5.67%、8月の過去12か月間の累計IPCA指数は、9.68%と二桁台直前まで上昇しており、金融スペシャリストは、Selic金利の上方修正を余儀なくされている。

2019年の格付けAAA企業の償還期間が5年物の社債発行の利払いコストは、CDI+1.0%若しくは0.80%であったが、昨年はCDI+3.00%、現在はCDI+1.40%前後であるとItaú BBA社のFelipe Wilberg取締役は説明している。

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