連邦貯蓄金庫は今週中に住宅ローン金利の引下げの発表を予定しているにも拘らず、来週開催が予定されている中銀の金利見直し会議を前に、民間銀行は一斉に住宅ローン金利の引上げ発表を予定している。
来週開催される中銀の通貨政策委員会(Copom)では、2022年のインフレ指数を連邦政府の許容範囲に収めるために、政策誘導金利(Selic)の引き上げ幅を最低でも1.0%引上げて6.25%にすると予想されている。
今月4日にサンタンデール銀行は民間銀行のトップを切って、住宅ローン年利を7.99%+参考金利(TR)で8.99%の引上げを発表している。
サンタンデール銀行に追従する形で今月13日にブラデスコ銀行は、住宅ローン年利を顧客のプロファイルに合わせて8.50%~8.90%+参考金利(TR)に引き上げている。
また15日からイタウー-ウニバンコ銀行は住宅ローン年利を7.30%から8.30%に引き上げ+参考金利に引き上げを決定している。
民間銀行が相次いで住宅ローン向け金利引き上げを発表する前は6.5%前後であったが、金利引き上げ後は7.50%~8.00%に上昇するが、2年前の平均住宅ローン年利は10.0%~10.5%で推移していたとサンパウロ州内の不動産業界企業が加盟するサンパウロ不動産関連業者組合(Secovi-SP)チーフエコノミストのCelso Petrucci氏は説明している。
民間銀行による一斉の住宅ローン金利引上げは、貧困層が最もダメージを受けるにも拘らず、住宅市場にはそれ程のダメージは与えないとサンパウロ州住宅建設業者組合(Sinduscon-SP)のJosé Romeu Ferraz Neto副組合長は指摘している。
今週中に住宅ローン金利の引下げを発表する連邦貯蓄金庫の住宅クレジットのマーケットシェアは圧倒的な67.0%を占めており、特に低所得層向け住宅クレジットのマーケットシェアは99.0%に達している。