過去15か月間に亘って1トン当たりの鉄鉱石の国際コモディティ価格は100ドルを上回っていたが、中国の不動産開発大手、恒大集団(Evergrande Group)が、巨額の債務を抱えて経営破綻に直面しているニュースで、鉄鉱石価格は100ドルを割っている。
また中国の鉄鉱石需要の低下に伴って、過去15か月間に亘って100ドル以上の鉄鉱石価格は、100ドルを下回っており、今年初めから既に42%も下落している。
Fastmarkets MB指標によれば、含有量が62%の中国青島港での取引価格は8.8%減少の92.98ドルまで下落しており、2020年5月14日以降では最安価格を記録している。
Evergrande社は、中国最大級の民間企業で、不動産開発大手。280以上の都市で事業を展開しており、中国政府が推し進めてきた改革開放路線の下、ここ数十年間、不動産開発事業で急成長してきた。
Evergrande社が倒産すれば、鉄鋼需要の大きな建設業界に大きな影響が見込まれており、中国の鉄鋼需要の先行き不透明感が上昇すると見込まれている。
今年9月の鉄鉱石の国際コモディティ価格は39.5%下落、今年5月の鉄鉱石価格を240ドルを記録したが、既に61%も下落を記録している。また、中国政府は、二酸化炭素排出削減目標を達成するため、国内の製鉄所の稼働率を下げる取り組みを拡大してきている。