Covid-19パンデミック以降、鉄鉱石、原油や農畜産物の国際コモディティ商品価格は、一早くCovid-19パンデミックから抜け出した中国の国内経済が牽引して上昇を続けている。
ジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)の貿易指数(Icomex)調査によると、2021年初め9か月間のブラジルの輸出のうちコモディティ商品の輸出量は微増にも拘らず、コモディティ商品価格の高騰で全体の69.7%を占めている。
昨年初め9か月間のブラジルの輸出のうちコモディティ商品の全体に占めるIcomex指数の割合は67.5%、2019年同時期は60.6%と僅か2年間で約10%も上昇を記録している。
2001年初め9か月間のブラジルの輸出に占めるコモディティ商品の全体に占めるIcomex指数の割合は37.4%であったが、2009年には54.5%まで上昇している。
一方2001年初め9か月間の付加価値の高い完成品の全体に占めるIcomex指数の割合は60.4%を占めていたが、2009年には49.3%と過半数を割っており、今年初め9か月間では32.8%を3分の1以下迄低下している。
国際コモディティ価格の高騰は、電力エネルギーコスト、天然ガスや輸送コスト高に繋がって世界的なインフレ傾向は2022年迄継続するとOurinvest社貿易ストラテジストのWelber Barral氏は指摘している。
今年初め9か月間の鉄鉱石、大豆並びに原油の輸出全体に占めるIcomex指数の割合は、コモディティ商品価格の高騰で前年同期の38.3%から43.7%と大幅に上昇、2013年は30.7%、2001年は僅か11.9%であった。
国際コモディティ商品価格が常に高止まりすると考えるのは錯覚であり、早急な構造改革の実施でブラジルコストの低減による製造業の活性化で付加価値の高い製品輸出が不可欠とブラジル貿易会(AEB)のジョゼ・アウグスト・デ・カストロ会長は指摘している。