昨年のCovid-19パンデミックにも拘らず、ラテンアメリカのスタートアップ企業向け投資は、東南アジアを上回り、海外投資家の注目を集めいている。
ラテンアメリカ地域での中古車の購入、アパートの賃貸契約や商業銀行の口座開設手続きは、煩雑なブロクラシーや無気力な官僚制度の前に、低所得層にとってはなかなか手が届かなかった。
しかしスタートアップ企業による最新テクノロジーや簡易ソフト開発の活用で、ラテンアメリカなどの新興国の低所得者層にも低価格でのアクセスが可能となってきている。
2020年のラテンアメリカ地域のスタートアップ企業への投資総額は41億ドルに達し、東南アジア地域のスタートアップ企業への投資総額33億ドルを上回っている。
また昨年のラテンアメリカ地域のスタートアップ企業への投資総額はアフリカ、中近東、東欧、中欧地域を上回っているとGlobal Private Capital Associationは指摘している。
今年上半期のラテンアメリカ地域のスタートアップ企業への投資総額は65億ドルに達し、インドのスタートアップ企業への投資総額83億ドルとそれ程違わない魅力的な投資先となっている。
2013年に創業したNubankのコロンビア人のDavid Vélez氏がサンパウロで口座開設するのに6か月間を要したが、今ではデジタル銀行では最大の顧客を擁している。
ラテンアメリカ地域で最も市場価値が高いメルカド・リブレ社は、「南米のアマゾン社」と呼ばれているが、時価総額は790億ドルに達すると見込まれている。
今年9月にソフトバンクのラテンアメリカ地域担当のボリビア人Marcelo Claure代表は、2019年の50億ドルの投資ファンドに続いて、30億ドルの投資ファンドを発表している。
メキシコのスタートアップ企業で、メキシコとアルゼンチンの中古車市場を破壊したKavak社は、メキシコのスタートアップ企業では初めてのユニコーン企業であり、時価総額は87億ドルに達すると見込まれている。
チリ発フードテック系スタートアップ企業のノット・カンパニー(NotCo)が2020年1月から植物由来のハンバーガーパティを発売すると発表、同社は2015年11月にチリ人起業家3人によって設立されたスタートアップで、自社の人工知能(AI)を搭載した機械学習ソフトウエア「Guiseppe(ジュゼッペ)」を用いて、既存の動物性原材料を使用する食品を植物性食品のみで代替した製品の開発、販売。同社は既に米国やカナダに進出している。