中銀は、インフレ圧力軽減するために政策誘導金利(Selic)を9.25%引上げて過去4年間で最高金利に肩を並べる(2021年12月8日付けヴァロール紙)

8日の中銀の通貨政策委員会(Copom) は、インフレ圧力の上昇を軽減するために、政策誘導金利(Selic)を1.50%引上げ9.25%に決定、7回連続でのSelic金利引上げを記録している。

今回のSelic金利の大幅な引き上げは、10月の通貨政策委員会(Copom) の議事録で既に示唆されていたが、過去4年間で最高のSelic金利と同率を記録している。

今回のSekic金利の1.50%の引上げは、Covid-19パンデミック中に記録していた過去最低のSelic金利2.00%から7回連続での引上げを記録、7回連続でのSelic金利の引上げのうち初め3回連続で0.75%、8月及び9月はそれぞれ1.00%、今回は過去20年間で最高となる一挙に1.50%の引上げとなっている。

2015年7月から2016年8月迄Selic金利は、過去最高となる14.25%を続けていたが、2016年10月の14.0%から2018年2月の6.75%まで下降サイクルを継続、2018年3月から2019年6月迄は6.25%で推移、2019年7月から2020年6月迄は再度下降サイクルを継続、2020年8月から2021年1月迄は過去最低のSelic金利2.00%を続けていた経緯があった。

ジャイール・ボルソナロ政権発足時のSelic金利は6.50%であったが、2020年8月迄下降サイクル、今年3月の2.75%から12月の9.25%まで、Selic金利は10か月間で6.50%も急上昇している。

中銀の通貨政策委員会(Copom) は、次回の来年2月のCopom委員会でもSelic金利を今回同様の1.50%の引上げで、10.75%になると示唆している。

今年のインフレは二桁台の予想、今年第3四半期のGDP伸び率はマイナス0.1%と2四半期連続でマイナスを記録したためにテクニカルリセッション入り、ブラジル救済(Auxílio Brasil)プログラム向け支出確保向け予算外予算を扱うプレカルトリオも憲法改正案(PEC)承認などの困難で、Selic金利の大幅な引き上げは予想されていた。

ブロードキャストプロジェクションの51金融機関対象の調査によると、大半の金融機関は、Copomm委員会によるSelic金利の1.50%引上げを予想していた。

今回のSelic金利の9.25%の引上げで、ブラジルのインフレ指数を差引いた実質金利は5.03%に上昇、ロシアの実質金利の4.23%を追い越して世界3位に上昇している。

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