ZOOM)「日系企業にコロナ対策を聞く」ウェビナーセミナー開催 2021年12月15日

月間ピンドラーマなどに記事を提供しているフリーライターの大浦智子氏による「日系企業にコロナ対策を聞く」ウェビナーセミナーは、2021年12月15日午前9時から10時まで約70人が参加して開催、司会は部会長シンポ・フォーラム委員会の森谷伸晃委員長が務め、初めに大浦智子氏は、日本政府が支援するサンパウロ日伯援護協会の事業として、ニッケイ新聞が協力する、「海外の日系社会や在外邦人のために、新型コロナウイルスの感染防止に係る啓発や情報提供、ビジネス環境作りに役立つ情報を発信する事業」として、ニッケイ新聞の特集号のページを担当。8月から、2週間に一度、12月初めまで、全19回発行、5回分が、商工会議所会員の日本企業5社のコロナ感染対策をトピックとして取り上げた経緯を説明した。

初めにイグアスコーヒー社のコロナ感染対策では、自社独自で制作した無料配布の「コロナ感染ハンドブック」、日本では「絆」などとよく言われるように、人のぬくもりを感じることが必要で、体温や心を温めるような対策は、少しでもウイルスを遠ざけるために必要な取り組み。同社が工場のある町と連携して、地域ぐるみで感染予防に取り組むために、社員だけでなく、その家族や、町の人々にまで、気を配ってきた同社のモットーなどを説明した。

次に取材したブラジル味の素は、社員の提案で作られた高品質の自社特性の消毒用アルコールの製造で、工場のある町で、地域ぐるみでコロナ禍を乗り切っていくため、自社の食料品を含めたセスタバジカや衛生キットなどの寄付活動も活発に行っている。在宅勤務で社員が疲弊することを心配した、同社は長時間座っても体が、守られるように設計された椅子を推奨、会社が費用負担して、購入できるなどを実施している。また産業医を社内に置いて、心身に異変が起きたらすぐに診察できるような態勢などを説明した。

商社の伊藤忠ブラジル社は、 コロナでブラジルが外出自粛となった最初の4か月間は、日伯間の12時間の時差で、日本にいる社員は、社長を筆頭に深夜業務で、ブラジルの仕事をリモートで行い、「商社は人が命」という言葉通り、秋葉社長が、夜勤の社員を丁寧に労っていたことが印象的であった。今年に入っても、原則全員が在宅ワーク継続を余儀なくされており、「会社との距離感」に不安を訴えられる相談が増えたために、会社ではメンタルケアや、これまで以上にオンライン上での密なコミュニケーションに注意が払っている。オンライン生活が中心になってからは、以前から行われていた、eラーニングのマイクロスタディを、自己研鑽の更なる活用などを説明した。

三井化学様と商工会議所化学品部会のコロナ感染対策として、食品パッケージを製造・販売するスターパック社は、ブラジルでの外出自粛開始とともに、デリバリーサービスが急成長で同社の食品パッケージの売上増加。自社で製造したパッケージに、アルコール等を詰めた衛生キットを社員に配布、コロナ対策計画表作成で、工場での感染防止の活用などについて説明した。

トヨタ社内のコロナ対策では、行政のガイドラインに沿った事務職をリモートワーク、社内コミュニケーションはオンライン会議で実施。同社の優先事項として、従業員と取引先の安全、地域社会への貢献のため、寄付や慈善活動に取組、今年10月までに、事業を展開している町に、救急車に使用できる4台のハイラックス車、25トンの食糧、サンパウロ州に3万本のアルコールジェル、2万8千枚の布製マスクなどを寄付。サンパウロ州内のコロナウイルス患者に対する呼吸器をメンテナンスする、11企業の一つに選ばれていることなど大浦氏は、各取材企業の社会的貢献に感銘を受けてと説明した。

また大浦氏は、一般的には余り知られていないが、ブラジルでの難民生活を余儀なくされている特にパンデミックから、サンパウロに暮らす、中東やアフリカ、アジアなど、社会経済が不安定な国々からブラジルに来ている難民の多くが失業し、食事や住居費支払いが苦しい難民の現状を説明した。

ニッケイ新聞の深沢正雪編集長は、ニッケイ新聞は今週いっぱいで廃刊になるが、来年1月4日からブラジル日報として再出発、来週一週間は試験配信を予定。今後はブラジル社会面の更なる充実、日本側に対する意見、更なる日本企業に役立つ情報提供を説明した。

商工会議所の村田俊典会頭は、大浦氏にはブラジルで活躍する日本企業のコロナ対策を詳細に取材して素晴らしい発表をして頂き、非常に意義のあるセミナーとなった。今年は部会長シンポ・フォーラム委員会による会員企業にとって非常に有意義なセミナーが開催された。来年も会員のニーズに合う有意義なセミナー開催を予定していると説明した。

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=28692