ブラジル企業は今年もM&Aで競争力強化(2022年1月5日付けヴァロール紙)

コンサルタント会社Dealogic社の調査によると、2021年のブラジル国内の企業の買収・合併(M&A) 取引件数は、前年比26%増加の706件で過去10年間で最高、取引総額は約2倍に相当する5,170億レアルに達している。

昨年のブラジル企業によるM&A件数は外資系企業を大幅に上回ったが、今年もブラジル企業がM&Aを牽引するとDealogic社では予想している。

2021年のブラジル企業のM&Aによる投資総額は、698億ドルに相当する3,978億レアル、M&A件数は571件に対して、外資系企業のM&Aによる投資総額208億ドルに相当する1191億レアル、M&A件数は135件であった。

2021年の世界全体のM&Aの投資総額は、前年比27.0%増加の5兆6,000億ドルに達し記録更新となるM&Aを記録、生き残りをかけた熾烈なマーケットシェア争いを余儀なくされている。

一方コンサルタント会社Kroll社の調査によると、2021年のブラジル国内のM&Aへの投資総額は6,000億レアル、M&A件数は1,500件に達して過去の記録更新している。

昨年のブラジル国内のM&Aの特徴は、他の国よりもマルチセクター案件が増加、小売業、食品・飲料、製造業、健康保健、教育、農畜産、石油・天然ガス、サービス業、特に小売techs、ロディスティックtechs並びに健康保健techs業界分野のM&Aの活性化をAlexandre Pierantoniチーフは指摘している。

今年の継続してM&A市場の活性化継続が予想されている一方で、今年10月に予定されている大統領選挙の影響で、強い金融ボラティリティが見込まれているために、新規株式公開を見合わせる非上場企業の増加が予想されている。

Itaú BBA社グローバルインベストメント部門のRoderick Greenleesチーフは、顧客の30社~40社は、昨年末から今年上半期にかけて新規株式公開を予定していたにも拘らず、昨年9月から新規株式公開に向けた条件悪化で、IPOを先送りされていると指摘している。

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