2021年のブラジルの経常収支赤字はGDP比1.75%の281億1,000万ドルを計上(2022年1月26日付けエスタード紙)

26日のブラジル中央銀行の発表によると、2021年のブラジルの経常収支残高は、2009年に記録していた314億8,100万ドルの赤字以降では、最低となるGDP比1.75%に相当する281億1,000万ドルの赤字を記録している。

2021年の海外投資家によるブラジルへの対内直接投資残高は、前年比23.0%増加の464億4,100万ドルを記録、昨年の281億1,000万ドルの経常収支赤字を充分カバーできる対内直接投資残高を記録している。

2021年のブラジルへの対内直接投資残高は、GDP比2.89%に相当する464億4,100万ドルを記録したにも拘らず、Covid-19パンデミック前の水準位は回復していないと中銀企画戦力部のFernando Rocha主任は指摘している。

ブロードキャストプロジェクションの調査によると、昨年のブラジルへの対内直接投資残高の最低予想は500億ドル、最高予想は600億ドル、中銀では52億ドルの対内直接投資残高を予想していた。

2022年のブラジルへの対内直接投資は、昨年を上回る550億ドルの流入を中銀のFernando Rocha主任は見込んでいる。

2021年12月のブラジルへの対内直接投資は、統計を取り始めて過去最低の月間記録を更新するマイナス39億3,500万ドルを記録、2020年12月の対内直接投資11億200万ドルの黒字から一転して大幅な赤字に転落していた。

ブロードキャストプロジェクションの調査によると、昨年12月の対内直接投資黒字の最低予想は26億ドル、最高予想は52億ドル、中銀の予想は30億ドルの黒字であった。

.昨年12月の対内直接投資残高が大幅な赤字を記録した要因として、本国への利益送金の増加、累積する公共負債増加リスク、ポプリズムの不安定な政権による先行き懸念で、海外投資家の資金引揚げが拡大したとAustin Rating社チーフエコノミストのAlex Agostini氏は指摘している。

2021年の上半期の経常収支は、2020年以降に発生した経常収支赤字削減の軌跡が継続していたが、下半期には、経済回復に伴って資本財やサービス財の輸入拡大、企業の収益増加に伴って海外送金が増加して経常収支赤字が拡大したとRocha氏は説明している。

2021年の農産物、増加石油や鉄鉱石などの国際コモディティ商品価格の高騰の恩恵を受けた一方で、国内経済の回復に伴う輸入増加、レアル通貨に対するドル高の為替、海外の電力エネルギー供給の必要性、Covid-19パンデミックによる海外旅行の減少などがあった。

2021年の貿易収支は361億8,100万ドルの黒字を計上、サービス収支は171億1,400万ドルの赤字を計上、第一次所得収支は504億7,100万ドルの赤字を計上、金融収支は326億1,700万ドルの赤字を計上している。中銀は2022年のブラジルの経常収支を210万ドルの赤字に収まると予想している。

2021年の海外旅行収支は、23億200万ドルの赤字を計上、2020年の海外旅行収支は、23億5,000万ドルの赤字、Covid-19パンデミック前の2019年の海外旅行収支は、115億9,900万ドルの大幅な赤字を計上していた。

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