2022年の国内の鉄鋼製品販売は前年比5.0%増加どまり(2022年1月26日付けヴァロール紙)

2022年のブラジル国内の鉄鋼製品販売は、好調に推移すると予想されているが、昨年ほど堅調ではないとブラジル鉄鋼卸売業者協会(Inda)のCarlos Loureiro会長は指摘している。

今年の自動車、白物家電並びに機械・装置向け平板鋼販売は、前年比3.0%~5.0%増加予想で、Covid-19パンデミック前の2019年の水準に回復するとCarlos Loureiro会長は予想している。

今年の国内の平板鋼販売は、風力発電並びに太陽光発電、農業機械並びに建設業向け鉄鋼製品需要が牽引するとCarlos Loureiro会長は予想している。

2021年のブラジル鉄鋼卸売業者協会(Inda)を通した平板鋼販売は、前年比7.6%増加の372万トンを記録した一方で、昨年12月の平板鋼販売は、前年同月比マイナス25.4%を記録していた。

ブラジル鉄鋼卸売業者の昨年末の鉄鋼製品在庫は、前年末の67万5,700トンから81万4,200トンと約14万トン増加して、営業日数換算で3か月分の適正在庫に達している。

昨年の平板鋼輸入は前年比117.8%増加の202万トンと前年の倍以上の輸入を記録したが、2010年の平板鋼の輸入量370万トンの約半分まで減少している。

64カ国の約170鉄鋼メーカーが加盟している世界鉄鋼協会(Worldsteel)の発表によると、2021年の世界の粗鋼生産は前年比3.7%増加の1億9,500万トン、中国の粗鋼生産は世界全体の52%と過半数を占めており、粗鋼製品価格の決定に大きな影響力を擁している。

しかし習近平国家主席が打ち出した目標の2030年の二酸化炭素(CO2)排出のピークアウト、2060年のカーボンニュートラルの実現のため、2021年は粗鋼の生産能力を抑え、減産すると発表したが、先進国のインフレ圧力に繋がる可能性がある。昨年の中国の粗鋼生産は前年比マイナス3.0%の10億3,000万トンに減産している。

中国に次いで昨年のインドの粗鋼生産は前年比17.8%増加の1億1,810万トン、日本は15.8%増加の9,630万トン、米国は18.3%増加の8,600万トン、ブラジルの世界ランクは9位で前年比14.7%増加の3,600万トンに留まっている。

2021年12月の世界の粗鋼生産は前年同月比マイナス3.0%の1億5,870万トン、また昨年12月の中国の粗鋼生産は高炉再稼働にも拘らず、マイナス6.8%を記録していた。

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