ブラジルのプラスティック向け樹脂輸入は年々増加(2022年2月1日付けヴァロール紙)

ブラジルのプラスティック向け樹脂の生産は、国内需要に追従していないために、年々プラスティック向け樹脂の輸入増加の一方で、輸出は年々減少傾向となって、プラスティック向け樹脂の貿易赤字の拡大が継続している。

昨年のブラジル国内の樹脂需要は、国内の樹脂メーカーの生産が国内の供給が追着いていないために、Covid-19パンデミックの影響による輸送ロディスティック問題やドル高の為替による輸入コスト上昇にも拘らず、輸入樹脂の拡大を余儀なくされているとブラジルの大手化学製品卸売Activas社のLaercio Gonçalves社長は指摘している。

ブラジル化学工業協会(Abiquim)熱可塑性樹脂部門委員会(Coplast) の統計を基にしたMaxiQuim社の調査によると、ポリエチレン(PE)の輸入量は、輸出量の2倍に達していると判明している。

2019年のブラジルのポリエチレン派生品の輸出額は7億9300万ドルに対して、輸入金額は8億8800万ドル、貿易赤字は僅か9500万ドルに留まっていたが、2020年の輸出額は6億2700万ドルに対して、輸入額は8億9400万ドルに拡大、2021年初め11か月間の輸出額は7億9600万ドルに対して、輸入額は14億8000万ドル、貿易赤字は6億8400万ドルと年々拡大傾向を示している。

昨年のプラスティック向け樹脂輸入の半分以上は米国が占めているが、2位はアルゼンチンが15.6%を占めている。シェールガスの生産増加に伴って、石油化学製品の原材料の価格下落で価格競争力の上昇に伴って、米国の石油化学製品輸出は再活性化している。

2019年のブラジル国内のポリエチレン派生品の消費は264万トンであったが、2021年は288万トンに増加している。また2021年のポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、PVC並びにポリスチレン(PS)などのプラスティック樹脂の国内消費は、過去最高の2020年の647万トンを上回る664万トンが予想されている。

2021年のブラジルの化学製品の貿易収支は、前年比51.8%増加の462億ドルの赤字計上して記録更新したが、 ブラジル化学工業協会(Abiquim)では、昨年の化学製品の貿易収支は、過去最高記録の2013年比44.4%増加の450億ドルの貿易赤字を予想していた。

2021年のブラジルの化学製品輸入金額は、前年比46.7%に相当する607億ドル、輸入量は17.4%増加、増加を牽引したのはアジア地域からのオーガニック製品と農畜産部門向け輸入製品増加が牽引している。

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=29218