2021年のブラジルのM&A総額は、過去10年間で最高の660億ドルを記録(2022年2月9日付けヴァロール紙)

Bain & Company社の2021年のM&A追跡調査によると、昨年のブラジル企業の企業買収・合併(M&A)に対する投資総額は660億ドル、8日のレアル換算では3,470億レアルに達している。また過去10年間ではM&Aに対する最高の投資総額を記録している。昨年1年間の世界のM&Aに対する投資総額は、5兆9,000億ドルに達している。

昨年のブラジルの企業買収・合併は、記録的な新規株式公開(IPOs)による資金調達 、過去最低の低金利やレアル通貨に対するドル高の為替、好調なマクロ経済などの要因で、2010年以降では最高記録となっている。

多くの企業は、一層のデジタルトランスフォーメーション化で競争力を高める必要に一般的な圧力がかかっているために、企業の買収・合併の加速化を余儀なくされているとBain&CompanyパートナーのLuisFrota氏は説明している。

昨年のブラジルの企業の買収・合併案件のうち100億レアル以上の案件は約半数を占めている。特に医療・保健分野の企業買収・合併(M&A)では、Hapvida社とGrupo NotreDame Intermédica (GNDI)社の合併、エネルギー部門では、Raízen社によるBiosev社の買収、輸送部門ではLocaliza社とUnidas社の合併、小売業界ではCarrefour社によるBIG社の吸収が挙げられる。

昨年1年間の新規株式公開では、46社で640億レアルの資金調達に成功、2020年の記録を塗り替え、またIPOによる調達資金の多くは、企業買収・合併(M&A)市場に流れて、M&A案件を加速した一因になっている。

世界的な半導体や電気・電子部品の需給ショック、パンデミックの長期化、大統領選挙関連の不確実性、高インフレ、政策誘導金利Selicの高止まりなどの要因は、今年のM&A市場に逆風になろ可能性をサンパウロBain&Company社パートナーのFelipe Cammarata氏は指摘している。

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