大手民間銀行のクレジットの延滞率増加でクレジット部門の縮小予想(2022年2月15日付けエスタード紙)

イタウー銀行、ブラデスコ銀行やサンタンデール銀行などの大手民間銀行は、二桁台に上昇している政策誘導金利(Selic)、減速してきている国内経済及び商業銀行のクレジット部門の延滞率増加などの要因で、今年のクレジット部門の縮小を余儀なくされると予想されている。

今月2日ブラジル中央銀行の通貨政策委員会(Copom) は、インフレ圧力の上昇に伴って政策誘導金利(Selic)を8回連続での引上げを余儀なくされ、現在のSelic金利9.25%を1.50%引上げて10.75%に決定している。

今年のクレジット部門は、二桁台のSelic金利、国内経済の停滞、延滞率増加などに伴って、クレジット返済期間の短縮化、住宅購入向けクレジットやクレジットカード部門の与信強化やクレジット縮小が見込まれている。

ブラジル銀行連盟(Febraban)は先月、今年のクレジット部門の伸び率は前回予想の前年比7.3%増加から6.7%増加に下方修正している。ブラデスコ銀行のOctavio de Lazari Jr.頭取は、今年の同行のクレジット部門の伸び率は前年比10%~14.0%増加を予想、昨年のクレジット部門伸び率の18.0%を大幅に下回る予想に下方修正している。

ブラジル最大の民間銀行イタウー銀行のMilton Maluhy Filho頭取は、今年のクレジット部門伸び率は、前年比11.5%~14.5%増加と2021年の23.0%を約半分の伸び率に設定している。

サンタンデール銀行は、今年のクレジット部門伸び率を一桁台の9.0%増加と昨年の10.3%増加よりも低く設定している。また延滞率上昇に対応するため138億レアルの貸倒引当金を宛がっている。

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