異常気象による穀物減産で莫大な損害及び食品価格の上昇圧力(2022年2月15日付けエスタード紙)

世界的な異常気象の影響で南部地域の南大河州、サンタ・カタリーナ州及びパラナ州、中西部地域の南マット・グロッソ州は、旱魃による日照り続きで穀物生産に大きな影響を与えている。

ブラジル国家農業連合(CNA) の調査によると、過去数か月間に亘る旱魃の影響で南部地域と南マット・グロッソ州の穀物生産は、2,520万トンの減産が予想されている。

これ等の地域の旱魃による大豆は、1,900万トンの減産が見込まれており、減産による損害額は621億レアルに達するとラジル国家農業連合(CNA) では見込んでいる。

またトウモロコシの第1期作は520万トンの減産で、損害額は83億レアル、コメ生産は89万トンの減産で、損害額は8億6,000万レアル、フェジョン豆の第1期作は12万5,000トンの減産で、損害額は6億1,000万レアルが見込まれている。

2022年1月のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は0.54%上昇、1月としては2016年1月に記録した1.27%以降では、最高のインフレ指数を記録。食料品だけで全体の43.0%のIPCA指数を占めている。

また労使間社会経済調査・統計所(Dieese)の調査によると、今年1月の食料品基本バスケット価格調査によると、調査対象の17州都のうち16州都で上昇を記録していた。

コンサルタント会社MB associados社チーフエコノミストのSergio Vale氏は、食料品並びにガソリン価格の上昇で今年のインフレ指数のIPCA指数を前回予想の4.7%から5.8%と1.1%の上方修正をしている。

国家配給公社(Conab)によると、2021/22年度の穀物生産は、南部地域の旱魃の影響で大豆の大幅な減産が見込まれているが、最終予想は、1月の2億8,440万トンの予想を大幅に下回る2億6,820万トンに下方修正されたにも関わらず、昨年の生産2億5,270万トンを5.0%上回る予想で、記録更新が見込まれている。

 

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