ブラジル食品工業会(ABIA)の発表によると、2021年の食品部門のインフレ指数を差引いた実質売上は、原材料並びに包装関連の供給不足による影響で前年比3.2%増加に留まった。
しかし昨年の食品部門のインフレ指数10.6%を考慮しない名目売上は前年比16.9%の大幅増加の9226億レアルを記録、食品部門の生産は前年比1.3%微増に留まっていた。
昨年の食品部門は農畜産の国際コモディティ価格上昇による原材料の製造コスト及び包装関連コスト上昇にも拘らず、製造コスト上昇分の最終消費者への価格転嫁ができず、収益を圧迫された。
昨年の食品部門は、COVID-19パンデミックの影響でレストランやバーの外食部門の売上は減少した一方で、巣籠需要による食品販売が大幅に増加していた。
今年のブラジルのGDP伸び率が0.5%~1.0%増加に留まる予想では、食品部門の実質売上は前年比1.5%~2.0%増加に留まると予想されている一方で、食品部門の輸出は昨年並みの450億ドルが見込まれている。
昨年のブラジル国内の食品部門の実質売上は前年比1.8%増加、食品部門生産は1.0%増加。昨年の総売上高は、2020年に24.3%減少した家庭外食品チャネルからの売上高が26%増加の6,785億レアルに達している。
昨年のインフレ指数は二桁台の上昇を記録、昨年初め9か月間の一般消費者の買い物の習慣に変化が表れており、食品の購入頻度は前年比マイナス2.1%、1回の購入額もマイナス1.8%を記録、この期間の食料品価格は11.8%上昇した一方で、購入金額は9.7%増加に留まっている。
昨年の食品価格は国際コモディティ価格の上昇に伴って値上げを余儀なくされたが、特にコーヒー価格は60%高騰、パームオイルは55%、大巣は43%それぞれ増加している。
国家配給公社(Conab)によると、2021/22年度の穀物生産は、南部地域の旱魃の影響で大豆の大幅な減産が見込まれているが、最終予想は、1月の2億8,440万トンの予想を大幅に下回る2億6,820万トンに下方修正されたにも関わらず、昨年の生産を5.0%上回る予想で、記録更新が見込まれており、食品価格の値上がりは昨年を下回ると予想されている。