今年2月のセメント販売は1.9%増加にも拘らず、今年初め2か月間はマイナス3.5%(2022年3月8日付けヴァロール紙)

全国セメント工業組合(SNIC)の発表によると、経済動向の指標の一つである2022年2月のブラジル国内のセメント販売は、前年同月比1.9%増加の480万トンを記録している。

しかし今年初め2か月間の累計セメント販売は、前年同期比マイナス3.5%の940万トンに留まっており、SNIC組合では、今年のセメント販売に悲観的な見通しとなっている。

今年1月の営業日の1日当りの平均セメント販売は、前年同期比マイナス3.4%に相当する22万5,700トン、今年初め2か月間の1日当りの平均セメント販売は、前年同期比マイナス7.1%と大幅な減少を記録している。

ブラジル全体のセメント販売の45%を占める今年初め2か月間の南東部地域のセメント販売は、前年同期比マイナス7.6%を記録、北東部地域もマイナス6.4%、中西部地域はマイナス2.6%を記録、この3地域のセメント販売は国内販売の77.0%を占めている。

一方今年初め2か月間の北部地域並びに南部地域のセメント販売は、それぞれ7.0%と大幅増加を記録、また今年初め2か月間のセメント輸出量は、僅か8万7,000トンに留まっている。

全国セメント工業組合(SNIC)の今年のセメント販売の追い風要因としては、前政権の貧困層向けボルサファミリアプログラムに替わる補助金支給プログラムの継続やCOVID-19パンデミックの減少を指摘している。

一方今年のセメント販売で向かい風となるのは、財政赤字や不当目な政治経済に加えて、インフレや金利上昇、世界的な部品供給問題、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻、更に世界的なコモディティ商品価格の高騰による生産コストの上昇を危惧している。

昨年から継続している国際コモディティ商品価格の上昇に加えて、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻で世界的に石油、天然ガス、石炭、コークス価格が上昇して、セメントの製造コストを圧迫すると全国セメント工業組合(SNIC)のPaulo Camillo Penna会長は指摘している。

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