ブラジル令和3年度官民合同会議は、2022年3月10日午前8時から9時20分まで開催、司会は中野大輔公使が務めた。
初めに小林麻紀 中南米局長は、本省から挨拶及び報告として、昨年9月に着任、日本政府の新型コロナウイルス感染症の水際対策の緩和、ロシアによるウクライナ侵攻で、国際コモディティ商品の高騰などリスク上昇で、最前線でビジネスウをしている皆様にはさらに厳しい状況が続く。この官民合同会議では、直面しているビジネス障害の生の声を聴いて協力したい。今年1月にブラジルはOECD加盟に向けた協議プロセス開始で、ブラジル政府は真剣に取り組んでおり、ビジネス環境改善に繋がるので協力してほしい。10月の大統領選挙の行方は未定であるが、如何にしろ更なる日伯関係強化に進めたいと説明した。
商工会議所からの「コロナ禍におけるビジネス状況及び今後の見通し」に関する報告では、初めにアマゾナス日系商工会議所の本田 貴弘 会頭は、会員及び会員数の推移、マナウス市の新型コロナ感染状況の推移、マナウス工業拠点の総売上高、部門別売上高の推移、マナウスフリーゾーンの雇用の推移、治安発生状況及び安全対策、ロディスティック・道路などのインフラ整備状況などについて説明した。
パラナ日伯商工会議所のルイス ニシモリ 下院議員は、パラナ州の面積はブラジル全体の僅か2.3%にも関わらず、農産物生産は全体の22%占める農業州、ウクライナ侵攻による世界的な大豆、トウモロコシ価格の高騰やロシア及びベラルーシからの化学肥料や農薬の輸入・供給問題。農薬は中国産であるが、日本産農薬が期待されていることなどを説明した。
リオデジャネイロ日本商工会議所の河合 良英 会頭は、リオ州におけるCOVID-19ワクチン接種拡大、3月7日から感染防止マスク使用の解除。ブラジルのマクロ経済、ペトロブラス石油公社や資源大手ヴァーレ社は、国際コモディティ価格高騰による業績好調。日本企業のブラジルへの貢献。ロシアのウクライナ侵攻で農業や資源大国のブラジルは優位に立つが、価格高騰による世界経済の減速の可能性。穀物や鉱物資源の日本への安定供給では、ブラジルの役割の重要性などについて説明した。
パラー日系商工会議所の山中 正二 副会頭は、会員企業、進出企業、1世及び2世経営者の内訳、トメアスー植民地の幹線道路の舗装、治安状況。昨年のパラー州の貿易、輸出先、主な輸出品、JUCAへの要望などを伝えた。
最後にブラジル日本商工会議所の村田 俊典 会頭は、2021年の商工会議所総括では、過去2年間の会員数の増減、会議所活動のオンラインイベントや情報提供セミナーへのシフト、訪問数激減も、対面やハイブリッド形式によるニューノーマル態勢の導入。ブラジル経済環境では、2021年の産業別GDP伸び率、各種経済活動指数、マーケット動向。自動車部会、運輸サービス部会、機械・金属部会、電機・通信情報部会、生活産業部会、食品部会並びに化学品部会の動向や今後の課題・日本政府への要望などについて説明。また各部会の業界別取り巻く環境についても説明した。
意見交換では、JICAブラジル事務所の江口雅之所長は、JICA日本語ボランティアの再開、治安関係では連邦警察との提携継続、インフラ整備では民間企業のサポートなどについて説明した。
在ブラジル大使館の林 禎二 大使は、ウクライナ情勢とブラジルとの関係では、ブラジルの肥料・農薬不足に対する日本企業の貢献。コロナ禍の水際対策の緩和。ブラジルの政治は4月からギアアップ、4月のフランスの大統領選挙のヨーロッパ・メルコスールEPA締結への影響。私は常々言っているように大使館の敷居をゼロにしているので、どんな些細なことでも気軽に相談してほしいと説明した。