CSN製鉄は20%の鉄鋼製品価格の値上げ発表(2022年3月16日付けヴァロール紙)

実業家スタインバック氏率いるナショナル製鉄所(CSN) は、製造コスト上昇で収益が圧迫されているために、卸売業者やメーカーなどの顧客に対する4月からの大幅な値上げを余儀なくされている。

ナショナル製鉄所(CSN) は、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、原材料並びに消費財コストの上昇で顧客に対する価格転嫁を余儀なくされており、平板鋼並びに棒鋼価格を4月1日に12.5%、同15日に7.5%、合計20%に達する値上げの発表をLuiz Fernando Martinez取締役は説明している。

ナショナル製鉄所(CSN)による4月からの値上げ対象製品は、建設部門向け鉄筋に加えて、熱間圧延鋼、冷間圧延鋼および亜鉛メッキコイル、塗装済みおよびガルバリウム鋼が値上げの対象となっているが、錫メッキ鋼として知られている金属シートは今回の値上げの対象外となっている。

今回の20%の鉄鋼製品の値上げは、卸売り会社並びに白物家電メーカー、機械・装置メーカー並びに建設業部門の顧客が対象となっているが、一般最終消費者への値上げは避けられない。

ロシアによるウクライナ侵攻前の1トン当たりの鉄鋼メーカー向け石炭価格は400ドルであったが、現在は650ドル~700ドルに高騰している。1トン当たりの粗鋼生産には600キロの石炭消費が必要となっている。

今年1月3日の含有量が62%の1トン当たりの鉄鉱石価格は119.50ドルであったが、現在は135ドルで推移、前期同様石炭価格は354.40ドルから650ドルに高騰、レアル通貨に対するドルの為替は、R$5.63からR$5.15と37.5%高騰しているとMartinez取締役は説明している。

ロシア及びウクライナから鉄鋼製品を供給していたヨーロッパ及びトルコでの粗鋼供給を補うために、同社のポルトガル支店からの出荷に力を入れているとMartinez取締役は説明している。

昨年のナショナル製鉄所は平板鋼並びに棒鋼製品を460万トン販売したが、そのうちブラジル国内の販売は全体の2/3に相当する318万トンを占めていた。

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