中央銀行の通貨政策委員会はSelic金利を11.75%に決定(2022年3月16日付けエスタード紙)

16日ブラジル中央銀行の通貨政策委員会(Copom) は、インフレ圧力の上昇に伴って政策誘導金利(Selic)を9回連続での引上げを余儀なくされ、現在のSelic金利10.75%を1.00%引上げて11.75%に決定。 2017年4月のSelic金利12.25%以降では最高の金利に上昇している。

また2月24日のロシアによるウクライナ侵攻による石油、鉄鉱石や農産物などの国際コモディティ価格の高騰、据置されている石油派生品の値上げなどによる予想を大幅に上回るインフレ圧力が一層増加してきている。

中央銀行の通貨政策委員会(Copom) では、過去3回連続でSelic金利を1.50%引上げていたが、今回はロシアのウクライナ侵攻で石油や農産物の国際コモディティ価格が高騰しているにも関わらず、1.00%の引上げに留めている。

2020年8月から2021年1月迄は過去最低のSelic金利2.00%を続けていたが、昨年3月から僅か1年間でインフレ圧力軽減のために、Selic金利は累計で9.75%の引上げを余儀なくされていた。

中央銀行の通貨政策委員会(Copom) がSelic金利を過去連続して9回引上げたのは、2013年4月~2014年4月の間で、7.25%から11.0%と1年間で3.75%引上げていた経緯があった。

中央銀行の次回5月初めの通貨政策委員会(Copom) では、ウクライナ問題が不透明にも拘らず、主に2023年のインフレ指数の中央目標値に近づけるために、再度1.00%引上げて12.75%を金融市場関係者は予想している。

米連邦準備理事会(FRB)は15日まで開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25%引上げを決定、今後6回連続での金利引き上げを示唆している。

2023年のIPCA指数を3.25%に近づけるために13.25%、今年末のSelicは13.25%になるとサンタンデール銀行チーフエコノミストのAna Paula Vescovi氏は予想している。

今回のSelic金利の11.75%への引上げで、ブラジルのインフレ指数を差引いた実質金利7.10%はロシアに次いで世界2位に上昇、ウクライナ侵攻後の2月28日にロシア中央銀行は、主要政策金利を9.5%から一挙に20%に引き上げた経緯があった。

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