中国上海のロックダウンは、ブラジルの輸送ロディスティックにダメージ(2022年4月20日付ヴァロール紙)

41日より上海市で都市封鎖(ロックダウン)が全面的に開始された影響で、ブラジルとアジアの海上輸送に大きな影響が出始めており、特に冷蔵コンテナ船による食肉輸出向け海上輸送費の値上げが危惧されている。
一方アジアからブラジルへの輸入関係では、輸入では海上輸送の遅延やキャンセルが、今後数か月以内に新たなロジスティックのボトルネックが発生することをすでに示唆する傾向が出始めている。
現在、特に世界の主要コンテナターミナルが集中している上海の港湾ターミナルが混雑している影響で、ブラジルからの輸出状況はより深刻で、保管スペースやコンテナ供給に問題が発生、一部の海運会社は冷凍貨物の注文を停止したり、他の中国の港に船を迂回を余儀なくされているにも拘らず、上海以外の港湾も混雑し始めており、波及効果に繋がっている。
COVID-19パンデミック前のブラジルから中国向け40フィートの冷蔵用コンテナ船のフレートは3,000ドル~4,000ドルで推移していたが、 現在は6,800ドルまで高騰、コンサルタント会社 Solve Shipping社と全国工業連合会(CNI の共同調査によると現在のフレート代は1年前と比較すると58%高騰している。
一方中国からブラジルへのコンテナ船のフレート代は、中国のロックダウンの影響を受けていないが、今年4月の20フィートコンテナ代は、20211月の8,900ドルから5300ドルに減少しているが、今後数か月間は再度上昇すると予想されている。
2020年にCOVID-19パンデミックで始まった世界的なサプライチェーン問題と同様の世界的な輸送ロディステック危機を示唆しており、ブラジルはアジアからの輸入ルートが最も影響を受けた経緯があった。COVID-19パンデミック以前はコンテナあたり約1,500ドルで推移していたフレート代は、パンデミック後はコンテナ船の需給バランス問題の発生などの要因で、1ドルを超える記録的な高値を記録していた。
中国でのロックダウンが終わると、ボトルネックが発生し、貨物が増加する傾向となり、さらに、ハイシーズンはすでに需要が季節的に増加する6月~7月から始まるとSolve Shipping社の Leandro Barreto共営者は指摘している。
中国のロックダウンに加えて、ロシアによるウクライナ侵攻のよる燃料価格の高騰、米国の港湾の混雑なども海上輸送要コンテナ船のフレート代の上昇に拍車をかける要因となっている。
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