今年のブラジルの粗鋼生産は増産予想を維持(2022年4月27日付ヴァロール紙)

2022年のブラジルの粗鋼生産は、しかし今年2月下旬のロシアによるウクライナ侵攻、高金利やインフレの高止まりなどの悪影響にも拘らず、国内の鉄鋼製品消費拡大で粗鋼生産の増産予想を維持するとブラジル鉄鋼協会(IABr)は発表している。

64カ国の約170鉄鋼メーカーが加盟している世界鉄鋼協会(Worldsteel)は、ウクライナ侵攻や中国のロックダウンなどの影響で世界的な需要減退を予想、今年のブラジルの粗鋼生産は、昨年の230%増加から一転してマイナス8.5%を予想している。

今年のブラジルの粗鋼生産は前年比2.2%増加の3,700万トン、粗鋼消費は1.5%増加の2,690万トン、国内販売は2.5%増加の2,300万トン、粗鋼製品輸出は1.5%増加の1,110万トン、粗鋼製品輸入はマイナス12.0%の430万トンをブラジル鉄鋼協会(IABr)経営審議会のMarcos Faraco会長は説明している。

持続可能な代替エネルギー部門の拡大、多くの新規インフラ整備プロジェクト、建設不動産業界の継続する活性化、堅調な農業部門、機械・装置部門の旺盛な需要、世界的なロディスティック問題発生による輸出拡大のチャンスなどの要因で、ブラジル国内の鉄鋼製品需要は、拡大するとMarcos Faraco会長は指摘している。

ブラジル鉄鋼業界では今年の産業界の投資拡大を予想、今年の投資総額は119億レアル、2026年迄の投資総額は525億レアルに達するとブラジル鉄鋼協会(IABr)のMarco Polo de Mello Lopes会長は予想している。

今年第1四半期のブラジルの粗鋼生産は、前年同期比マイナス2.4%に相当する8503,000トン、国内の粗鋼販売はマイナス19.7%の4766,000トンに留まった一方で、輸出は28.3%増加の3443,000トンを記録している。

今年第1四半期の圧延鋼輸入は、前年同期比マイナス3.4%の813,670トン、同期のブラジル国内の粗鋼製品消費は、17.7%減少の5594,000トンに留まっている。ブラジルの各鉄鋼メーカーは、相次いで鉄鋼製品の値上げをしている。

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