経済省通商局(Secex)の発表によると、2022年4月のブラジルの貿易収支は、前年同月比マイナス13.9%の81億4,800万ドルの黒字に留まったが、今年初め4か月間の累計貿易収支は、前年同期比10.5%増加の199億4,700万ドルの黒字を計上している。
今年4月の輸出総額は、前年同月比16.7%増加の289億200万ドルを記録した一方で、輸入総額は、35.7%増加の207億5,400万ドルと大幅な増加を記録して、貿易収支の黒字幅の減少に繋がっている。
今年初め4か月間の累計輸出総額は、前年同期比23.8%増加の1,011億8,500万ドル、累計輸入総額は、27.6%増加の812億3,800万ドル、累計貿易総額は、25.5%増加の1,824億,2400万ドルを記録している。
今年4月の輸出総額289億200万ドルは、月間の輸出額としては過去最高記録を更新した要因として、ブラジルの輸出品目を牽引する国際コモディティ価格の高騰が輸出額増加に繋がっている。一方今年4月の輸出量はマイナス8.0%を記録している。
今年4月の輸入総額は、過去2番目となる208億ドルを記録したが、輸入量はマイナス6.9%に対して、輸入額は輸入品目の価格上昇に伴って34.4%と大幅増加を記録している。
4月の農畜産物関連輸出は前年同月比12.7%増加、鉄鉱石などの鉱業関連輸出はマイナス10.2%に対して、完成品などの製造業部門関連輸出は35.0%と大幅な増加を記録している。
一方今年4月の農畜産関連輸入は33.0%と大幅増加、鉱業関連輸入も58.1%と大幅増加、製造業部門関連輸入品は、35.5%とそれぞれ大幅な増加を記録している。
経済省通商局(Secex)の最終予想によると、今年の貿易収支は1,116億ドルの黒字を予想、輸出総額は3,488億ドル、輸入総額は2,372億ドル、貿易総額は5,860億ドルに達すると予想している。
今年4月のウクライナ向け輸出は、ロシアによるウクライナ侵攻の影響を受けて、前年同月比マイナス92.9%に相当する125万ドルに対して、輸入はマイナス78.7%に相当する550万ドルに留まっている。
今年4月のブラジルの農業向け肥料輸入量は、ロシアによるウクライナ侵攻にも拘らず、前年同月比81.5%増加、ロシアからの化学肥料輸入量も38.3%増加を記録しており、大半の予想を覆す結果になっている。