第1四半期のイタウー銀行の純益は前年同期比15.0%増加(2022年5月9日付エスタード紙)

2022年第1四半期のラテンアメリカ最大の銀行であるイタウーウニバンコ銀行の純益は、前年同期比15.0%増加に相当する73億レアルを記録、また前四半期比2.8%増加している。

イタウー銀行の第1四半期の純益増加要因としては、与信審査なしで自動的に貸してくれる特別小切手税と呼ばれる口座借越残クレジット、分割払いプランおよび銀行の最も収益性の高い事業であるクレジットカードが牽引している。

一方、個人向けクレジット関連の利益は減少した一方で、政策誘導金利Selic上昇による収益増加で部分的に相殺している。 また銀行関連サービスからの収益はクレジットカードが牽引して、1年間で7.2%増加に相当する97億レアルを記録している。

イタウー銀行のブラジル国内およびラテンアメリカ地域のクレジット部門は、過去1年間で13.9%増加の1兆320億レアルを記録、特に個人向けクレジット部門は32.9%の大幅増加を記録している。

イタウー銀行の3月末の純資産は過去12か月間で2.9%増加の1,444億レアル、ROE(自己資本利益率)は前年同期比1.9%増加の2.4%を記録、前四半期比では0.2%増加している。

高止まりするインフレ、高金利並びに失業率、実質賃金の減少など複雑や経済状況では不渡りリスクが増しているために、デジタルチャネルを介した新しいクレジットカードの販売にブレーキを踏んでいるとイタウー銀行のMilton Maluhy頭取は説明している。

ブラジル国内のクレジットカード部門で約30%のトップマーケットシェアを擁しているイタウー銀行は、不渡りリスクの非常に高いクレジットカードによる顧客獲得に慎重になってきている。

今年3月末のブラジル国内の実店舗数は、昨年3月末よりも207店舗少ない2,834店舗まで減少、今年第1四半期だけで192カ所の支店を閉鎖している。インターネットを通した銀行業務拡大に伴って実店舗は減少してきている。今年3月末のデジタル支店は315支店と過去1年間で120支店増加している。

一方イタウー銀行ではデジタルトランスフォーメーション部門強化を中心に、今年第1四半期に技術者を中心に3,500人を新規雇用、全従業員数は前年同期比3.6%増加の10600人に達している。

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