小売部門とサービス業部門は第1四半期のGDP伸び率を牽引するも今後は減速予想(2022年5月23日付エスタード紙)

2022年第1四半期の小売部門は2.3%増加、サービス部門も1.8%増加とそれぞれ予想を上回る伸び率を記録、連邦政府は今年のGDP伸び率を1.5%増加の大幅な上方修正を行ったが、既に12.75%に達している政策誘導金利Selicの更なる引上げや消費刺激政策の枯渇で、今後の小売部門やサービス部門の息切れを金融アナリストは指摘している。

. Barclays銀行は今年のGDP伸び率を前回予想の0.3%から1.0%に上方修正、前期同様ブラデスコ銀行は1.0%から1.5%、 Goldman Sachs社は0.6%から1.25%、 Inter銀行は0.8%から1.2%、 BofA社は0.5%から1.5%とそれぞれ大幅に上方修正している。

ブラジル地理統計院(IBGE)の月間サービス生産量調査(PMS)の発表によると 今年3月の広範囲小売部門販売量は0.7%増加、サービス業部門生産量は1.7%増加、Covid-19パンデミック前の20202月の水準を依然として6.2%上回っているが、過去最高水準を記録した201411月の水準を4.0%下回っている。

今年3月のサービス部門生産量調査では、調査対象の5セクターのうち5セクターで前月比増加を記録、輸送・輸送補助サービス・郵便サービスセクターは2.7%増加、情報・通信サービスセクターは1.7%増加、教育・研究機関などの公共サービスセクターは1.5%増加、一般家庭向けサービスセクターは2.4%増加、その他のサービスセクターも1.6%増加を記録している。

 高止まりしているインフレ、依然として高い失業率、低い実質賃金のために、低所得層の家庭は消費財若しくはサービス財のどちらかを選択しなければならない一方で、COVID-19パンデミック期間中の消費減少で預金が増加した富裕層は消費財やサービス財への消費に余裕が生じている。

 貧困層向け社会補助政策のボルサ・ファミリアプログラムに替わるブラジル救済(Auxílio Brasil)プログラム 、各個人のFGTS(勤続年数保証基金) 1引出、13ヶ月サラリーの前払いは上半期の消費を大いに刺激すると予想されている。

Vinland Capital 社チーフエコノミストの Aurelio Bicalho氏は、2022年のGDP伸び率を1.3%増加を予想、今年第1四半期のGDP伸び率は1.0%増加、第2四半期は0.2%増加、第3四半期はマイナス0.3%、第4四半期は0.2%増加を予想している。

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