2017年以降に株式上場した80%企業の株価は下落している(2022年6月7日付けエスタード紙)

2017年以降の過去5年間にサンパウロ証券取引所B3で新規株式公開(IPO)した上場企業のうち80%の企業の現在の株価は、上昇一途の政策誘導金利(Selic)COVID-19パンデミック、ロシアによるウクライナ侵攻などの悪影響で、IPO時の初値を下回っているとEconomática社及びTC社の調査で判明している。

20213月迄7か月間に亘ってSelic金利は過去最低の2.00%を維持していたが、その後はインフレ圧力軽減のために連続して上昇に転じ、現在は12.75%に達しているが、年末には13.25%が予想されているために、大半の投資家は株式などの変動相場投資家から確定金利付き投資に投資金を移動せている。

大手小売販売 C&A社の現在の時価総額は98,000万レアルと新規株式公開時の初値の半分以下まで減少している。また薬局チェーン網 D-1000社のIPO時に4億レアルの資金調達に成功したが、現在の時価総額は2億レアル以下まで減少している。.

スキンケアチェーン網を展開する Espaçolaser社は新規株式で26億レアルの資金調達に成功したが、現在の時価総額はIPO時の初値の3分の1に相当する75,000万レアル迄減少している。

Getninjas, Westwing, Mobly社並びにEnjoei社は1年以上前のB3で新規株式公開で資金調達に成功したが、現在の時価総額はIPO時よりも80%以上減少している。世界最大のデジタル銀行 Nubank社は、IPO時に株購入の争奪戦を展開したが、昨年12月以降では株価が60%以上下落している。

Getninjas社の Eduardo L’Hotelier社長は、同社の株価は下落しているにも関わらず、IPOによる資金調達による潤沢な運転資金による企業買収で積極的な事業を展開して、果敢に事業拡大に繋がっているとコメントしている。

2021年にサンパウロ証券取引所に新規株式公開した企業は45社に達するが、現在の株価がIPO時の初値を上回っているのは僅か9社、その大半はコモディティ商品関連企業とコンサルタント会社 Nord社アナリストのDanielle Lopes氏は指摘している。

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