全国セメント工業組合(SNIC)の発表によると、2022年5月の経済動向指標の一つであるブラジル国内のセメント販売は、 前年同月比0.9%減少の550万トンに留まっている。
今年5月のブラジル国内のセメント販売が微減した一因として、セメント生産用の原材料コスト上昇で、製造業部門向けセメント価格転嫁を余儀なくされたと全国セメント工業組合(SNIC)は説明している。
また海外要因として、ロシアによるウクライナ侵攻の影響による石油、天然ガスやコークスなどの国際コモディティ価格の上昇が更に、セメント生産コストの上昇を助長していると全国セメント工業組合(SNIC)は指摘している。
一方国内要因として、過去最高水準に達している家庭収入の52.5%に達する一般家庭の負債レベル、4月には10.5%に減少した失業率も依然として二桁台を維持している上に、今年初め4か月間の新規雇用者の7.9%に達する実質賃金の目減りを指摘している。
更に二桁台が継続しているインフレ指数、今後も上昇が懸念されている政策誘導金利Selicは既に12.75%に達して、住宅購入向けクレジット金利の上昇を招いているために、4月及び5月は2ヶ月連続で上昇、また今年第1四半期の住宅販売リリース軒数は2.6%減少、2020年以降では初めて減少を記録している。
今年初め5か月間のセメントの累計販売は、前年同期比2.2%減少の2,560万トン、5月の1日当りの平均セメント販売は4.7%減少、今年初め5か月間の1日当りの平均セメント販売は3.1%減少している。