ブラジル地理統計院(IBGE)の2020年度の年間小売調査(PAC)によると、COVID-19パンデミックの2019年から2020年にかけて、連邦政府や地方自治体の外出自粛や必需品以外営業自粛などの要請の影響で、ブラジル国内の小売販売関連企業は全体の7.4%に相当する10万6,560社は倒産や業界撤退を余儀なくされた。
2019年のブラジル国内の小売関連企業は144万6,000社であったが、COVID-19パンデミックが猛威を振るっていた2020年末には133万9,000社まで減少していた。
特に小売関連部門で倒産や撤退を余儀なくされたのは自動車ディーラー、部品販売並びにオートバイ販売関連企業であり、2019年は13万9,672企業が存在していたが、2020年末には12万5,835社まで減少、業界全体の9.9%に相当する1万3,837社が倒産を余儀なくされていた経緯があった。
四輪・二輪部門に次いで小売販売業が影響を受けており、2019年の小売販売企業数は110万2,000社であったが、2020年末には100万6,000社と全体の8.7%に相当する9万5,400社が倒産を余儀なくされていた。
2020年末の小売販売業全体の売上は4兆7,000億レアル、そのうち卸売り販売は2兆3,000億レアル、小売販売業は2兆1,000億レアル、四輪・二輪販売業は3,943億レアルであった。
2019年の卸売り販売業のトップ8社のマーケットシェアは18.4%であったが、2020年末には15.2%まで減少、前記同様四輪・二輪販売業は3.7%から3.4%に減少した一方で、小売販売業は10.2%から10.8%と寡占化が進んでいる。