ユーカリ材不足で新規パルプ工場建設は2028年以降に先送り(2022年8月21日付けヴァロール紙)

過去24ヶ月以内に操業開始したパルプ工場や建設中のパルプ工場では、ブラジル国内のパルプの原料となるユーカリ材の調達は可能となっているが、ユーカリ材の価格が急上昇しており、新規パルプ工場の建設は、今後のユーカリ植林から伐採可能となる2028年以降への先送りを余儀なくされている。

ブラジルのユーカリ材を原料とする短繊維パルプは世界のパルプ生産を牽引しているが、既にユーカリ材の需要は供給を上回る分岐点に達しているために、新規パルプ工場の建設は、ユーカリ材の伐採が可能となるのは植林後6年から7年後であり、新規パルプ工場の建設は2028年以降を余儀なくされている。

先週、サンパウロで開催された Fastmarkets RISI Latin American会議に参加した業界幹部は、限られたユーカリ材の供給と価格の上昇で、今後数年間の新規パルプ工場プロジェクトにブレーキがかかると予想されている。

フィンランド資本 Pöyry社の発表によると、昨年のブラジルのパルプ生産は2,250万トン、2030年迄の新規プルプ工場建設による生産は、ユーカリ材の短繊維パルプ増産が牽引して3,000万トンを突破すると予想されている。

ユーカリ材市場にも変化があり、パルプや紙以外の部門での需要が急増しており、需要の60%は製鉄所で使用される木炭の生産、または電力エネルギー向けバイオマス発電に使用されている。

2020年のユーカリ材の新規植林面積は747万ヘクタール、2020年から2025年には年間平均700万トンのユーカリ材を供給するためには、毎年80万ヘクタールから100万ヘクタールに植林する必要がある。

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