ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)ブラジル経済研究所(Ibre)の発表によると、2022年8月の鉱工業部門の企業経営者の景況感判断指数(ICI)は、0.8ポイント上昇の100.3ポイントと分岐点の100ポイントを突破、今年6月~8月の四半期の月間平均景況感指数は0.2ポイント上昇している。
8月の鉱工業部門の企業経営者の景況感指数(ICI)が100ポイントを突破した要因として、世界的な自動車向け半導体の供給問題などを依然として存在するが、ブラジル国内の燃料価格や電力エネルギー価格の値下がりによるビジネス環境改善が牽引している。
また下半期には大統領選挙や政策誘導金利(Selic)の更なる利上げの可能性はあるものの、製造業部門の雇用も3ヶ月連続で改善していると FGV Ibreエコノミストの Stéfano Pacini氏は指摘している。
8月の製造業部門の19セクターのうち9セクターで企業経営者の景況感が改善しており、現状景況感指数(ISA)は、1.4ポイント上昇の102.8ポイント、今後数か月間の景況感見通し指数(IE) は、0.3ポイント上昇の97.9ポイントと分岐点の100ポイントに接近してきている。
また今年8月の製造業部門の在庫レベル指数は、2.9ポイント減少の96.7ポイントと適正在庫をやや下回っている。製造業部門のビジネスの現状に対する企業経営者の認識と需要レベルに対する企業の満足度を測る指標は、それぞれ 0.6 ポイントと 0.4 ポイント上昇し、101.7 ポイントと 103.2 ポイントを記録している。
今後3か月後の生産に対する予測指数は、3.0ポイント減少の92.1ポイントと2022年3月の90.3ポイント以降では最も悲観的な数字を記録している。
また今後3か月後の雇用予測指数は、0.7ポイント上昇の104.6ポイントと5ヶ月連続で増加を記録、2021年10月に記録した108.1ポイント以降では最高の雇用予測指数を記録している。今年8月の製造業部門の設備稼働率(Nuci)は、前月比0.1ポイント減少の82.2ポイントとなっている。