ブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、2022年第2四半期の国内総生産(GDP)伸び率は、1.2%増加の2兆4040億レアルと昨年第3四半期から4回連続で増加を記録している。
2020年2月末開始の世界的なCovid‐19パンデミックの影響を受けて、2020年第1四半期はマイナス2.4%、第2四半期はマイナス9.0%と大幅に落ち込んだが、第3四半期は8.0%と大幅に増加、第4四半期は3.2%増加、2021年第1四半期は1.1%増加、第2四半期はマイナス0.3%を記録したが、ワクチン接種が拡大してきた第3四半期は0.1%増加に転じ、第4四半期は0.8%増加、今年第1四半期は1.1%増加に続いて、第2四半期は1.2%増加を記録している。
今年上半期のGDP伸び率は2.5%増加を記録して、Covid‐19パンデミック前の2019年第4四半期のGDPの水準を3.0%上回っているが、2014年第1四半期のGDPの水準に接近してきている。
今年第2四半期の国内総生産(GDP)伸び率1.2%増加を牽引しているのは、国内経済の70%のウエートを占めるサービス部門のGDP伸び率が1.3%増加を記録、サービス部門の中でも特に人材派遣などのその他のサービスセクターのGDP伸び率は3.3%、輸送セクターは3.0%、情報通信セクターは2.9%それぞれ大幅な増加を記録していた。
また今年第2四半期の鉱工業部門のGDP伸び率は2.2%増加を記録、特に鉱工業部門のGDP伸び率を牽引したのは、電力・都市ガス・上下水道・汚水処理セクターは3.1%、建設業セクターは2.7%、鉱業セクターは2.2%、製造業セクターは1.7%それぞれ増加を記録してる。
昨年第2四半期から第4四半期まで3四半期連続でGDP伸び率はマイナスを記録していたが、今年第1四半期は0.6%増加と2四半期連続で増加を記録している。Covid‐19パンデミックの最も悪影響を受けていた2020年第2四半期はマイナス12.2%を記録したが、2020年第3四半期は14.7%増加と過去最高の伸び率を記録していた経緯があった。
今年第2四半期の農畜産部門のGDP伸び率は、第1四半期のマイナス0.9%から一転して0.5%増加を記録、今年の大豆生産は前年比マイナス12.0%が見込まれている一方で、今年のコーヒー豆生産は前年比8.6%増加が予想されている。
また今年第2四半期の一般家庭の消費は、一般家庭向けサービス部門のGDP伸び率の回復に伴って2.6%増加を記録、2020年第4四半期の3.1%増加以降では最高の伸び率を記録、政府支出部門のGDP伸び率は、マイナス0.9%と第1四半期のマイナス0.1%に続いてマイナスを記録している。
今年第1四半期の住宅投資、設備投資や公共投資などの国内総固定資本形成(FBCF)部門のGDP伸び率はマイナス3.0%であったが、第2四半期のGDP伸び率は4.8%増加、前記同様に輸出は5.7%増加、マイナス2.5%、輸入はマイナス4.0%、7.6%増加を記録している。
今年上半期のブラジルのGDP伸び率は2.5%増加、そのうち鉱工業部門のGDP伸び率は0.2%増加、サービス部門4.1%増加した一方で、農畜産部門のGP伸び率はマイナス5.4%と大幅な落ち込みを記録している。