再選を狙っている現職のジャイール・ボルソナロ大統領が元大統領のルーラ候補に敗れる可能性があり、銃器の輸入規制強化が見込まれているために、今年7月及び8月のピストルやライフル銃などの銃器の輸入が過去25年間で最高を記録している。
今年7月のピストルやライフル銃などの銃器輸入数は4万303丁、8月は3万9,389丁と過去25年間で最高記録を更新、7月及び8月の1日平均の銃器輸入数は1,200丁を突破している。
ルーラ候補はボルソナロ政権の銃器輸入規制緩和政策を批判しているために、銃器輸入規制が強化される前に銃器輸入を加速させているとブラジル公安フォーラムメンバーの Ivan Marques氏は指摘している。
過去に米国でも同様の動きがあった。 2008年のバラク・オバマ候補と2020年のジョー・バイデン候補の大統領選挙の前に、銃に熟達したアメリカ人は、民主党政権の下でより制限的な銃器規制を採用するという見通しに直面して、銃器購入を拡大していた経緯があった。
1997年のピストル及びライフル銃の輸入数は7,156丁、1998年から2005年迄の銃器の年間平均輸入数は3,000丁以下であったが、2006年から2017年間の最高輸入数は1万3,000丁、2018年には2万8,300丁であった。
しかしボルソナロ政権初年度の2019年には5万4,600丁と倍増、2020年は10万5,900丁、2021年は11万9,100丁を記録して輸入銃器類が急増している。
2019年のボルソナロ政権発足の最初の数ヶ月では、それまで禁止されていた重口径の銃器を民間人が購入できるようになった。45、.40、9 mm、44マグナムのライフルやピストルなど、国産にはない新しい口径の多くは輸入が増加した。2022 年初め8か月間に、16万1,585 丁の銃器が輸入された。 ブラジルのTaurus社は、今年上半期に18万6,000丁を販売している。