全国工業連合会(CNI)は今年のGDP伸び率を3.1%に上方修正(2022年10月11日付けヴァロール紙)

全国工業連合会(CNI)では、2022年のブラジルのGDP伸び率は、7月の予想の1.4%増加から2倍以上に相当する3.1%増加と大幅に上方修正、今年の鉱工業部門のGDP伸び率も前回予想の0.2%増加から2.0%増加に上方修正している。

今年のGDP伸び率を3.1%増加に上方修正した要因として、ロシアによるウクライナ侵攻による世界的な自動車用半導体などの部品供給問題の徐々の正常化、COVID-19パンデミック対応の中国の主要都市のロックダウンの解除などの海外要因で改善が寄与している。

また建設業部門の回復は、ルーラ政権の経済成長加速プログラム(PAC)の大衆住宅建設”私の家、私の暮らし Minha Casa Minha Vida”に替わる“ブラジルシンボルカラー大衆住宅 緑と黄色の家 Casa Verde e Amarela”プログラム向けクレジット拡大が牽引している。

今年のサービス業部門のGDP伸び率は前回予想の1.8%から3.8%と2倍以上の上方修正されており、今後数年に亘って安定したGDP伸び率を維持するためには、税制改革案の上院の憲法改正法案(PEC 110)の早急な承認などをCNIの Robson Braga de Andrade会長は指摘している。

サービス分野での経済活動の活発化が雇用市場を後押しし、雇用者数が大幅に増加したと説明。 今年は昨年を上回る平均収入の増加に繋がっているとCNI の経済担当エグゼクティブ マネージャーのMário Sérgio Telles 氏は説明している。

8月末の労働人口は9900万人に達しており、今年第3四半期の労働市場の回復は顕著で、平均失業率は10.8%から9.3%が予想されており、インフレ指数の減少に伴って実質賃金は1.6%から5.1%への増加が見込まれている。

また今年第3四半期の初めに前政権の家族手当(ボルサ・ファミリア)プログラムに替わるブラジル救済(Auxílio Brasil)プログラムによる給付金支払いの増額、トラック運転手やタクシードライバー向けの給付金は消費需要を引き上げている。

今年のブラジルの貿易は、輸出及び輸入ともに国際コモディティ価格の上昇に伴って増加しており、CNIでは、今年の貿易収支は前回予想の817億ドルから513億ドルに下方修正している。

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