64カ国の約170鉄鋼メーカーが加盟しているベルギーのブリュッセルに本部のある世界鉄鋼協会(Worldsteel)の発表によると、2022年の世界の粗鋼需要は、世界的なインフレ及び金利の上昇の影響を受けて、前年比マイナス2.8%に相当する1億⒎970万トンに留まると予想されている。
2021年の世界の鉄鋼需要は前年比2.8%増加を記録していたが、世界の鉄鋼生産の85%を担う世界鉄鋼協会(Worldsteel)の今年4月~9月の短期見通し(SRO)レポートによると、2023年の鉄鋼需要前年比1.0%増加の1億8150万トンを見込んでいる。
今年の世界の鉄鋼需要のマイナス2.8%予想の要因として、世界的なインフレ及び金利の高止まり、中国経済の停滞が牽引しているが、2023年はインフラストラクチャー向け鉄鋼需要が微増すると予想している。
世界的なインフレ、米国の金融引き締め政策、中国経済の停滞及びロシアによるウクライナ侵攻などが世界の鉄鋼需要の足枷になっていると世界鉄鋼協会(Worldsteel)経済委員会委員長で Techint社グループ傘下の Ternium社の Máximo Vedoya社長は指摘している。
今年初め8か月間の中国の鉄鋼需要は、前年同期比マイナス6.6%と年初予想のマイナス4.0%を大幅に上回っており、2023年の中国の鉄鋼需要はインフラ向け新規プロジェクト及び住宅市場の回復が期待されている。