来年1月のルーラ政権移行を前に、ロシアによるウクライナ侵攻や国際コモディティ価格高騰など外的ショックに対するブラジルの石油派生品の脆弱性を軽減するシナリオを分析しているが、ペトロブラス石油公社の純益性と収益性は維持する。
次期大統領ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバの新政権は、石油精製市場の状況を調査、ブラジル国内市場への高い国際原油価格の影響を軽減する方法を調査中であり、最も可能性の高い方法は、新しい石油製油所を建設する代わりに、ペトロブラスの製油所の生産能力を拡大することで石油輸入への依存を減らすことが可能になると政権移行チームのエネルギーワーキンググループコーディネーターのMauricio Tolmasquim 氏は説明している。
パラナ州のペトロブラス傘下の石油製油所でのグリーンディーゼルプロジェクトであり、 先週発表された投資戦略計画では、2027 年までにバイオ燃料精製に 6 億ドルを投資する。
Tolmasquim 氏によると、環境に優しい燃料は、Petrobras社の新エネルギー戦略の基本であり、この計画では、今後 5 年間で、石油精製及び天然ガス開発部門に 92億ドルが見込まれている。
今週月曜日に、政権移行チームはペトロブラスの取締役会との 2 回目の会議を持ち、主なトピックスの 1 つは、現在の国際価格平価 (PPI) に基づいているペトロブラスの燃料価格政策であった。
ペトロブラス社商業化および物流責任者であるクラウディオ・マステラ氏と同公社法務担当のタイサ・マシエル氏が率いるペトロブラスの幹部は、製油所での PPI の範囲内での価格形成の方法論を提示した。 同社は今年、国際価格のボラティリティをブラジル市場にすぐに移さないようにするために、価格設定方式を変更している。
政権移行チームによると、石油価格のボラティリティの抑制は、当時のペドロ・パレンテ総裁が2016年に採用した石油価格の決定方針に違いをもたらすだろうとTolmasquim氏 はメカニズムの適用を確認したが、詳細は説明していない。
大統領選挙直前の7 月から 9 月にかけて、ペトロブラスは燃料価格を 11 回引き下げ、外部シナリオに従って価格が上昇した上半期よりも速く値下げした経緯があった。
今年10月時点の国際原油価格の上昇にもかかわらず、ペトロブラスではガソリンと軽油の卸売り価格は未だに値上げしていない。 ペトロブラス社のディーゼル卸売り価格は、9 月 19 日以降、平均で 1 リットルあたり 4.89 レアルで販売。 9 月 1 日以降、1 リットルのガソリンは 3.53 レアル 。 今週の火曜日 (6日) に、ペトロブラスと政権移行チームは、投資見直しと 2023 ~ 2027 年の5か年計画の見直しを議題とする会議を開催する。