全国工業連合会(CNI)では、2022年のブラジルのGDP伸び率は3.1%増加に対して、2023年のGDP伸び率は、今年の半分相当の1.6%増加に留まると予想している。
全国工業連合会(CNI)では、来年のGDP伸び率予想1.6%増加は、今年のサービス部門が継続して牽引すると予想、特に好調なサービス部門の雇用拡大及び所得増加を指摘している。
また2023年の連邦政府のインフレ指数を差引いた実質公共支出は、前年比10.0%増加を全国工業連合会(CNI)では見込んでいる。
来年の鉱工業部門のGDP伸び率は、前年比0.8%増加と2022年の鉱工業部門のGDP伸び率予想の1.8%を大幅に下回ると予想している。
来年の製造業部門のGDP伸び率は、耐久消費財などのクレジットが必要にも関わらず、今現在13.75%と高止まりしている政策導入金利(Selic)では購買力がそがれるために 0.3%増加に留まると悲観的な見方をしている。
全国工業連合会(CNI)では、今年のインフレ指数は5.7%、来年は5.4%、今年末のSelic金利は13.75%、2023年末のSelic金利は11.75%と依然として二桁台の高金利を維持すると予想している。
また全国工業連合会(CNI)では、ブラジル中央銀行は2024年並びに2025年のインフレを目標値の範囲以内に抑えるために、来年9月までSelic金利を現在の13.75%を維持すると予想、その後は1.0%ずつの切下げで来年末には11.75%を見込んでいる。
また CNIでは、来年の法人向けクレジット部門は高止まりしている銀行金利の影響で、ブラジル国内の経済活動の活性化を阻害するために、個人向けクレジット部門の伸び率を下回ると予想している。
一般消費者に対するクレジット部門の足枷要因として、クレジット部門の高止まりしている延滞率、インフレ指数を下回る給与調整による実質賃金の目減り、返済に苦慮している負債額などが挙げられる。
また今年の平均失業率は9.3%、2023年の平均失業率は8.9%と減少傾向にも関わらず、来年の失業率の減少スピートは、今年を下回る速度に減速すると予想している。
またCNIでは、今年の財政プライマリー収支はGDP比1.6%の黒字予想に対して、ルーラ新政権は政権公約を実施すれば大幅な財政支出を余儀なくされるために、2023年の財政プライマリー収支は、GDP比2.0%の赤字に転落すると予想している。
CNIは今年のブラジルの経常収支を432億ドルの赤字計上予想に対して、2023年の経常収支は408億ドルの赤字を継続すると予想している。また今年の貿易収支は559億ドルの黒字予想に対して、2023年の貿易収支も今年同様の559億ドルを見込んでいる。