今年の建材及びセメント需要は前年割れか(2022年12月8日付けヴァロール紙)

伝統的に年末は建材及びセメント需要が増加傾向を示すにも関わらず、今年末は需要減少に歯止めがかからないと市場関係者は悲観的な見方をしている。

今年11月の建材部門の売上は、前年同月比マイナス5.4%と大幅に落ち込んでいるが、前月比ではマイナス0.3%の落込みに留まっている。

今年初め11か月間の建材部門の累積売上は、前年同期比マイナス6.8%と大幅な落ち込みを記録しているとブラジル建設材料工業協会(Abramat)の統計に表れている。

ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)では、今年の建材部門の売上は、年初予想の前年比1.0%増加から10月には前年比マイナス2.2%に下方修正している。

ブラジル建設材料工業協会(Abramat)では、今年の建材部門の売上は前年比マイナス6.0%、11月の過去12カ月間の売上は前年同期比マイナス7.2%に留まっている。

今年の建材部門の売上の下方修正の要因として、一般家庭の負債増加、来年1月から政権を担うルーラ新政権の財政および経済政策に関する不透明感が一般消費者の需要意欲を削いでいるとブラジル建設材料工業協会(Abramat)のRodrigo Navarro会長は指摘しているが、来年の建材業界は反転すると見込んでいる。

全国セメント工業組合(SNIC)の発表によると、経済動向の指標の一つである今年11月のブラジル国内のセメント販売は、前年同月比マイナス0.8%の540万トンに留まっている。

11月の1日平均当たりのセメント出荷は前年同月比マイナス0.9%の24万1,900トン、前月比では1.3%増加を記録している。

また今年初め9か月間の累積新規住宅販売リリース軒数は前年同期比マイナス8.5%を記録、新規住宅販売リリース軒数の減少は、今後数カ月間の住宅建設件数の減少及び住宅販売軒数の減少につながるとブラジル建設工業会議所(Cbic)では指摘している。

今年初め11か月間のセメント販売は前年同期比マイナス2.5%の5850万トン、11月の過去12カ月間では前年同期比マイナス2.0%の6290万トンを記録している。

伝統的に毎年11月のセメント販売は増加していたが、今年11月はサッカーのワールドカップ開催、不透明なブラジル経済の先行き、高止まりする行員り、一般家庭の負債増加でセメント販売の足枷になっていると全国セメント工業組合(SNIC)のPaulo Camillo Penna会長は指摘している。またワールドカップ開催の期間中のセメント販売は100万トン減少に達する可能性を指摘している。

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