2022年のブラジル国内のセメント販売は前年比マイナス2.8%に留まる(2023年1月10日付けヴァロール紙)

全国セメント工業組合(SNIC)の発表によると、経済動向の指標の一つである2022年のブラジル国内のセメント販売は、前年比マイナス2.8%に相当する6,310万トンに留まり、2021年よりも180万トンの販売減少を記録している。

ロシアによるウクライナ侵攻のインパクト、中国、ヨーロッパ並びに米国の経済減速予想で、2023年のブラジル国内のセメント販売予想は不透明感が漂っている。

全国セメント工業組合(SNIC)では、昨年のブラジル国内のセメント販売はマイナス2.0%を若干上回ると予想されていた。また2019年のブラジル国内のセメント販売は前年比3.8%、2020年は10.8%、2021年は6.8%とそれぞれ前年を上回っていたが、2022年は一転して前年比マイナスに転じて状況が一変している。

セメント工業組合(SNIC)の Camillo Penna会長は、過去4年間のブラジルのセメント販売は1,000万トン以上増加していると指摘している。

2022年のセメント販売が前年割れが発生した要因として、予想を上回る降雨量、による建設プロジェクト推進への影響、サッカーのワールドカップ開催などのよう影響で、30万トンに相当する0.5%の減少に繋がったと Camillo Penna会長は指摘している。

また昨年のセメント販売減少の一因として、新規住宅リリース軒数の減少で昨年9月迄は前年同期比マイナス8.5%及び一般家庭の負債増加による自宅リフォームの減少をCamillo Penna会長は指摘している。

昨年の北部地域及び中西部地域のセメント販売は前年比1.6%増加を記録、昨年の北部地域のセメント販売は280万トン、中西部地域は760万トンを記録した一方で、南東部地域のセメント販売はマイナス3.6%の2,980万トンに留まっている。

2022年12月のブラジル国内のセメント販売は前年同月比マイナス6.3%の450万トン、昨年12月の1日当りのセメント販売はマイナス10.2%に相当する18万6,100トンであった。

ボルソナロ政権時に“ブラジルシンボルカラー大衆住宅 緑と黄色の家 Casa Verde e Amarela”プログラムと命名されていたが、再度のルーラ政権誕生で元の大衆住宅建設”私の家、私の暮らし Minha Casa Minha Vida”プログラムに戻ると予想されているが、依然として不透明となっている。

今月8日にブラジリア市でボルソナロ前大統領支持者によるテロ行為は、既に進行しているインフラ整備プログラムには影響を及ぼさないにも拘らず、今後の新規の国内外企業によるインフラ整備プログラムへの投資への影響が懸念されている。

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