今年の医療業界は地域企業の買収・合併による再編が加速か(2023年2月2日付けヴァロール紙)

世界的な医療関連コンサルティング会社クロール社によると、今年のブラジル国内の医療業界は、地理的な分散と補完的なサービスポートフォリオを求めて地域企業を中心に、買収・合併が進むと予想している。

既に医療業界の買収・合併による業界再編が進んでいるサンパウロ市やベロ・オリゾンテ市を除く、主に地域での医療業界の地場企業の再編が加速するとクロール社法人ファイナンス担当のAlexandre Pierantoni氏は予想している。また今年どれだけ医療業界が拡大するかは、雇用拡大と収入増加の伸び率に左右されると指摘している。

昨年のブラジルの医療業界は、Fleury社とHermes Pardini社の大型合併、またDasa社及びHapvida社の合併などのような業界再編が引き続き予想されている。特に医療業界の合併・買収が進んでいない地域での業界企業の統合などは、相乗効果で寡占化が進む可能性が残されている。

昨年のブラジルの医療業界の企業の買収・合併案件は全体の15.0%を占めており、今年も継続して買収・合併が遅れている地域の医療業界の再編が加速するとPierantoni氏は予想している。

クロール社の報告によると、ブラジルでは人口の約 25% が補助的なヘルスケアを受けているが、今後の成長の余地は十分にあり、国内で実施される画像診断検査のほぼ半分を担っている。 2021年のブラジル国内の画像診断は、延べ1億5,500万人が受診、売上は360億レアルに達している。

サンパウロ州を中心に南東部地域の画像診断クリニックは、6,000カ所を数えて集中している一方で、画像診断クリニックが手薄な北部地域、北東部地域及び中西部地域などでは今後の大幅な成長が見込まれており、米国を中心とした先進諸国のグローバルグループが市場の大きなブラジル市場への参入のための橋頭保確保のチャンスを模索している。

画像診断業界の課題の中で最大の頭痛は、高額な画像診断装置及びとメンテナンス、画像診断専門医の確保など投資コストが非常に高い。今後の画像診断業界では人工知能と遠隔診断レポートの「ヘルステック」活用は不可欠であり、ブラジルだけでなく、コロンビア、チリ、アルゼンチンなどの他のラテンアメリカ諸国で積極的な採用を余儀なくされるとPierantoni氏は指摘している。

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