6日ルーラ大統領は、社会経済開発銀行(BNDES)のアロイジオ・メルカダンテ新総裁の就任式で、同銀行による過去の海外で実施されたブラジルの土木工事プロジェクトへの資金提供について、正当性を強調した。
またルーラ大統領は、キューバとベネズエラ政府によるBNDES銀行ローンの不払いはジャイール・ボルソナロ政権と両国の関係悪化が不払いに繋がったと指摘したが、しかし、この両国のローン不払いは、ルーラ政権とジルマ・ローセフ政権時に既に発生していた経緯があった。
ルーラ大統領の声明は、ブラジル政府が海外での事業やサービスに資金を提供するためにBNDES銀行を活用しようとしている兆候を示唆している。
今年1 月 22 日のアルゼンチン政府訪問時には、ルーラ大統領は、BNDES銀行がVaca Muertaガスパイプライン建設プロジェクトへの資金提供する用意があると発表していた。
BNDES銀行は、ラテンアメリカ地域並びにカリブ海地域の15 か国に対して、ブラジル企業にエンジニアリング サービス向けの資金を提供して、利益を生み、雇用増加に繋がったとルーラ大統領は強調している。
キューバやベネズエラ政府からのローン支払い欠如は、ジャイール・ボルソナロ政権時代にローン支払いを請求しないために国際関係を絶ったことが事実であり、キューバやベネズエラ政府はBNDES銀行への支払を再開すると確信していると説明した。
ルーラ大統領はまた、鉱工業部門や中小企業を対象とするクレジット拡大政策を擁護、またもう1つのクレジット拡大の優先分野はグリーン経済分野を示唆している。
BNDES銀行のメルカダンテ新総裁は、同銀行はブラジル国内だけでなく近隣諸国も対象にブラジル企業の海外進出を牽引する役割を担っていると説明。 この声明は、副大統領であり、BNDES銀行が関与しているジェラルド・アルキミン開発相も支持している。
我々は過去のBNDES銀行について議論するために集まったわけではなく、未来のBNDES銀行を構築するための議論をするためにおり、それは、環境に優しく、包括的、技術的、デジタル、工業化されたものとメルカダンテ総裁は強調している。
ルーラ大統領は、BNDES銀行がブラジルや近隣諸国の経済成長と発展を促進する役割に緊急に戻る必要があると弁護。 州政府や地方自治体に返済能力がある限り、融資を恐れる必要はない。2008年の金融危機のとき、BNDES銀行のクレジットがいなければ、ブラジルは沈没していた。BNDES銀行は資金を利用できるようにしたので、ブラジルは一番最後に世界金融危機に突入し、最初に金融危機から脱出できたとルーラ大統領は強調している。
BNDES銀行は2002 年に370 億レアル、2010 年に 1,680 億レアルのクレジットを供与、2013 年には 1,900 億レアルに増加したが、ボルソナロ政権時の2021年には、640 億レアルまで縮小、教育やインフラ分野を含めてBNDES銀行は機能を失っていたとルーラ大統領は説明している。