2022年のVotorantim Cimentos 社の純益は30%減少も売上は16%増加(2023年3月15日付けヴァロール紙)

ヴォトランチンセメント社Votorantim Cimentos の2022年の純益は、売上が16.0%増加したにも拘らず、生産コストの上昇の影響を受けて、 前年比30%減少の11億レアルに留まっている。

同社のグローバル ファイナンシャル担当のBianca Nasser ディレクターは、純益の大幅な減少の要因として、近年の企業買収及び大幅な減価償却を指摘。 昨年ヴォトランチンセメントは、 全世界で 前年比1.0%減少に相当する3,680 万トンのセメントを販売している。

同社の昨年の税引前利益に支払利息と減価償却費を加算したもので、総資本に対してどの程度のキャッシュフローを産みだしたかを簡易的に示す(Ebitda) は、前年比6.0%減少の49億レアル、 Ebitdaマージンは5.0%減少の19.0%に留まっている。

昨年の純益減少は生産コスト上昇が影響しているが、世界のヴォトランチンセメントの売上は、生産コスト転嫁による販売価格増加で前年比16.0%増加の258億レアルに達している。

同社の昨年のブラジル国内の売上は前年比23.0%増加の127億レアル、Ebitda は2.0%増加の24億レアルを記録している。ヴォトランチンセメントは世界11カ国で生産販売を行っている。

昨年のヴォトランチンセメントの北米での売上は前年比4.0%増加の74億レアル、 Ebitdaは16%減少の16億レアル、米国およびカナダでの売上は増加したが、Ebitda減少はインフレコスト及びドルに対するレアル通貨下落が牽引している。

ヨーロッパ、アジア及びアフリカの昨年の売上は16.0%増加の34億レアル、 Ebitdaは20%増加の6億⒎600万レアル、ユーロが下落したにもかかわらず、インフレコストを緩和した価格管理が寄与している。

昨年の同社のラテンアメリカ地域の売上は、ウルグアイでの新規競合参入とボリビアでのデモが原因で、17.0%減少の8億1,200万レアル、Ebitdaは42%減少の1億3,800万レアルに留まっている。

今年のセメント販売は高止まりするインフレや金利で先行き不透明感が強い一方で、2009年のルーラ政権の経済成長加速プログラム(PAC)の大衆住宅建設”私の家、私の暮らし Minha Casa Minha Vida”の新規プログラムが依然として不透明となっているために、昨年並みの横ばいになる可能性をBianca Nasser ディレクターは指摘している。

 

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