ブラジル中央銀行はSelic金利の13.75%据置を全会一致で決定(2023年3月22日付けヴァロール紙等から抜粋)

3月22日開催のブラジル中央銀行の通貨政策委員会 (Copom) は、ルーラ大統領初め与党のブラジル中銀の金利政策批判にも関わらず、高止まりするインフレの財政リスクへの影響緩和を維持するために、政策誘導金利Selicを全会一致で13.75%の据置を決定した。

ヴァロール社が112金融機関対象の調査によると、111社は3月のSelic金利は5回連続となる13.75%据置を予想していたが、唯一コンサルタント会社 Siegen社がSelic金利0.25%の切下げを予想していた。

今回のブラジル中央銀行の通貨政策委員会 (Copom) はルーラ政権下では2回目の会合となったが、ルーラ大統領は2月から公然と中央銀行のSelic金利政策を批判していた経緯があった。

2 月の通貨政策委員会 (Copom) で、中央銀行は、まだ国会に提出されていない新しい枠組みをめぐる騒ぎの後、財政リスクに関する警告を強めたが、通貨政策委員会 (Copom) の議事録では財務省の努力を認めることでその口調を和らげていた。

2021 年 3 月に始まった中央銀行によるSelic金利の上昇サイクルを通じて、金融当局は昨年 8 月まで 12 回連続でSelic金利を 11.75 ポイント引き上げていた。 次回のCopom 会議は 5 月 2 日と 3 日に開催される。

. 22日米国の連邦準備制度理事会(FRB)は、記録的なインフレの抑制を優先しするために、政策金利の0.25%引き上げを決定。9回連続での会合連続の利上げで、政策金利の誘導目標は4.75~5.00%となる。

昨年6月から4回連続での理事会会合で政策金利を従来の3倍に相当する0.75%の大幅利上げを決定した後、昨年12月の会合では0.5%、今年2月の会合では0.25%にそれぞれ利上げ幅を下げていた経緯があった。

しかし米国の今年2月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比6.0%上昇と8カ月連続で鈍化したにも関わらず、連邦準備制度理事会(FRB)の目標とする2.00%を依然として大幅に上回っている経緯があった。

3月7日の米議会の公聴会で、予定より早期の金融引き締めを余儀なくされる統計が出てくれば、利上げを加速する用意がある」と、パウエル議長は利上げサイクルを再加速させる可能性を示唆していた。金融市場では3月の会合でFRBが利上げ幅を0.5%に戻す」との見方をしていた。

しかし、その数日後、FRBの急激な利上げに伴う国債価格の下落を背景に、今月10日に米中堅のシリコンバレー銀行(SVB)が経営破綻、12日にはニューヨーク州に拠点を置くシグネチャー銀行も破綻に追い込まれ、2行が相次いで経営破綻。中小規模の銀行から預金を引き出す動きが加速し、金融システムへの不安が広がっていた経緯があった。

またヨーロッパでも金融大手クレディ・スイスの経営不安が再燃し、世界金融市場では一転してFRBが大幅な利上げをするのは難しいとの見方が増え、利上げを見送るとの見方も出ていた経緯があった。

Selic金利の推移

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