ブラジル包装紙協会(Abre)がジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)に依頼した調査によると、2022年の段ボール箱・プラスチック・ガラス・製缶・木材などを原料とした包装容器関連生産は、前年比マイナス4.5%と予想以上の落込みを記録している。
昨年第1四半期の包装容器関連生産は前年同期比マイナスを記録した一方で、第2四半期並びに第3四半期は前年同期比を上回ったが、第4四半期の包装容器関連生産は大幅な落込みを記録していた。
昨年第1四半期の包装容器関連生産は前年同期比マイナス2.0%を記録した一方で、第2四半期は4.8%増加、第3四半期は前年同期比1.3%増加したが、第4四半期の包装容器関連生産はマイナス3.3%と大幅な落込みを記録したとブラジル包装紙協会(Abre)のMarcos Barros会長は説明している。
昨年の包装容器関連生産は前年に続いて2年連続で前年割れを記録した一方で、唯一ガラス関連容器は前年比8.0%と大幅な増加を記録、製缶生産はマイナス15.8%、プラスティック容器はマイナス4.3%を記録している。
昨年第4四半期の包装容器関連生産はマイナス3.3%と大幅な落込みを記録した要因として、大統領選挙戦が二極化で先行き不透明感で消費が冷え込んで、包装部門は、食品、衛生、および衛生用品関連部門に大きく影響を受けていた。
包装業界側では、COVID-19パンデミックの危機的な時期に包装パッケージングが不足した後、昨年初めころに需要が増加したが、年末にかけて消費が減速したときに、包装在庫のある顧客は新しい注文を停止していた経緯があった。
昨年の包装業界の売上は生産減少にも関わらず、売上総額は製造コスト上昇に伴って、今迄は一番困難であった価格転嫁を余儀なくされたために、前年比3.9%増加の1232億レアルを記録、昨年7月から今年1月は包装向け主要原材料が若干値下がりしている。
世界的にガラス容器は供給が需要をs時賜っているために、今年初めはガラス容器の価格が上昇したが、ブラジル国内では第2四半期の新規の2カ所のガラス高炉が稼働予定で、ガラス容器価格は安定すると予想されている。
11月のブラックフライデーや12月のクリスマスなどの一大イベントがある年末は、包装関連の注文が多くなる傾向にあるが、高止まりするインフレた金利で国内経済が停滞すると見込まれているために、生産調整の匙加が難しいとブラジル包装紙協会(Abre)のMarcos Barros会長は説明している。
2020年~2022年の包装容器業界の各セクターの増減推移